マレーシア労働市場レビュー 2026年第1四半期
REPORT / 2026年5月
マレーシア労働市場レビュー
マレーシア労働市場レビュー
2026年第1四半期(ST1 2026)
レポート概要
マレーシア統計局(DOSM)が2026年5月に公表した本レポートは、2026年第1四半期(1~3月)のマレーシア労働市場を多角的に分析した四半期定例報告書です。2026年2月に勃発した西アジア紛争が世界経済に不透明感をもたらす中、マレーシアの労働市場は堅調な国内需要と政府の迅速な施策に支えられ、雇用・賃金・生産性のいずれの指標においても着実な改善を記録しました。
GDP成長率は前年比5.4%と前期(4.4%)を上回り、就業者数は1,673万人(+1.0%)に増加。失業率は2.9%(−0.2ポイント)まで低下しました。また、急成長するデータセンター産業がマレーシア労働市場の新たな牽引力として台頭していることや、若者のNEET(就業・就学・職業訓練のいずれにも参加していない状態)問題における構造的な男女格差についても詳細な分析が盛り込まれています。政策立案者・研究者・ビジネスパーソンにとって、東南アジア経済の最前線を把握する上で必読の資料です。
主要指標一覧(2026年第1四半期)
| 指標 | 数値 | 前年比変化 |
|---|---|---|
| GDP成長率 | 5.4% | +1.0pt |
| 労働参加率(LFPR) | 70.9% | +0.1pt |
| 就業者数 | 1,673万人 | +1.0% |
| 失業率 | 2.9% | −0.2pt |
| 労働生産性(就業者一人当たり) | RM 26,171/人 | +4.3% |
| 正規雇用者 中央値月収 | RM 3,167 | +4.0% |
| 若者NEETレート(15~24歳) | 8.7% | — (2024年実績) |
注目トピック
① 西アジア紛争下での経済的耐性
- 原油価格が40%超上昇・US$100/バレルを突破したにもかかわらず、国内需要の底堅さと政府のRON95ガソリン補助(RM1.99/L)維持が消費者物価を安定させた。
- インフレ率は2026年3月時点で1.7%と穏やかに推移。輸出の一時的な鈍化は見られるが、全体的な成長軌道は維持されている。
② データセンター産業の急台頭
- ジョホール州・クランバレーを中心に、ASEAN最大規模のデータセンターハブとして急成長中。ICTサブセクターへの承認済み投資額はRM1,529億に達する。
- ネットワークエンジニア・クラウドエンジニア・サイバーセキュリティ専門家など高スキル職の需要が急増しており、TVET(技術・職業教育訓練)との連携が急務となっている。
③ 若者NEET問題の構造的男女格差
- 15~24歳のNEETレートは8.7%とASEAN-5平均(12.4%)を下回るが、15~30歳で見ると女性が14.4%と男性(7.5%)の約2倍に跳ね上がる。
- 背景には育児・家族責任による経済的不活性化があり、保育インフラの整備と柔軟な働き方の法制化が課題として指摘されている。
レポート構成
- 労働供給 — 労働力人口・就業者・失業者の動向
- 労働需要 — 求人数・充足率・業種別分析
- 労働生産性 — 就業者一人当たり・時間当たり生産性
- 従業員賃金 — 正規雇用者の中央値月収・州別比較
- 特集:データセンター産業と労働市場変革
- 特集記事:若者NEETの構造分析(2024年)
- 統計表 — 労働供給・需要・生産性・賃金(ST2 2023~ST1 2026)
出典:マレーシア統計局(DOSM)「Sorotan Pasaran Buruh ST1 2026 / Labour Market Review Q1 2026」2026年5月。 本記事は同資料を日本語に翻訳・要約したものです。数値は原資料の掲載値を使用しています。
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