マレーシア進出日系企業一覧
日本企業のマレーシア進出動向
クアラルンプールには日系企業の進出が相次いでいる
マレーシアに進出している日本企業は、合計で1,544社(ジェトロ・クアラルンプール2020年2月時点)となっている。そのうち、製造業が765社、非製造業が765社を占めている。マレーシアの投資コストは他のASEAN諸国と比較すると相対的に安いとはいえず、労働集約的な製造業の新規進出はペースダウンしている。その一方で1人あたりのGDPが10,942ドル(2018年)に達していること、内需が堅調に伸びていることから、消費に着目するサービス産業の進出は増加傾向にある。
業種別の動向としては、電気・電子製品が最も多く、進出製造業企業の3割超を占めている。日系の家電メーカー1970年台からマレーシア国内市場向けの製品を製造するための向上を設立、1987年からはプラザ合意後の円高を背景に、欧米などへの輸出を主目的とした大規模な拠点工場が設立された。
このことから裾野産業としての電子部品産業も集積し、マレーシアは電子・電気産業の一大集積拠点へと成長した。地域別に見ると、首都クアラルンプールとクアラルンプールに隣接するセランゴール州が立地場所としても最も人気が高く、日系企業の6割以上が2地域に集中している。
2022年のマレーシア進出事例
三井不動産は2022年1月20日、マレーシアの首都クアラルンプール中心部で商業施設「三井ショッピングパーク・ららぽーとブキビンタン・シティーセンター(BBCC)」を開業した。東南アジアでのららぽーと開設は初めて。新型コロナウイルスの影響で当初の計画から約1年開業が遅れ、全400店舗のうち約80店舗のみでのスタートとなる。日系では、家具・日用品販売店「ニトリ」のマレーシア1号店などが入居する。
2022年1月20日、家電量販店大手のノジマは、三井不動産がマレーシアの首都クアラルンプール中心部で手掛ける商業施設「三井ショッピングパーク・ららぽーとブキビンタン・シティーセンター(BBCC)」にマレーシア1号店を開業した。「ノジマ」でのマレーシア進出は初めて。今年第2四半期(4~6月)には2号店を出店する予定で、ブランド認知の向上を図る。
コンタクトレンズ大手のメニコンは2022年1月26日、マレーシアのクダ州クリムに1日使い捨てコンタクトレンズの工場を建設すると発表した。投資額は約178億円。同社にとって、延べ床面積ベースで国内外でも最大の工場となる。アジア地域での需要拡大を見込み、売上高に占める海外の割合を高める狙い。
2021年のマレーシア進出事例
マレーシアの不動産開発会社グローバル・オリエンタルは2021年12月24日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下の書店チェーン「蔦屋書店」のマレーシア国内での展開に向け、双日と合弁会社を設立すると発表した。2022年4月までに首都クアラルンプールのブキジャリル地区にある大型商業施設「パビリオン・ブキジャリル」に1号店を出店する予定。
業務用厨房機器を手掛けるフジマックは2021年12月1日、マレーシアとフィリピンに現地法人を設立したと発表した。経済成長が著しい東南アジア地域での販売強化を狙う。 マレーシア法人の名称は「FJKフードサービス・マレーシア」。
産業・医療用の装着型ロボット「HAL」を開発するサイバーダイン(茨城県つくば市)は2021年12月21日、マレーシアに現地法人を設立すると発表した。 現地法人「サイバーダイン・マレーシア(仮称)」は首都クアラルンプールを拠点とし、2022年1月に設立する。
家具・雑貨大手のニトリホールディングス(札幌市)は2021年12月16日、東南アジアで出店を開始すると発表した。海外の販売事業を加速する経営戦略の一環。マレーシアでは、2022年1月にクアラルンプールで開業する商業施設「三井ショッピングパーク・ららぽーとブキビンタン・シティーセンター」内で同国1号店をオープンする。2022年3月にはシンガポール1号店をオープンし、両国では今後5年間で、計30店舗とする計画だ。
2020年のマレーシア進出事例
株式会社フォーイット(本社:東京都渋谷区)は、2019年12月24日に開催した取締役会において、マレーシア現地法人設立に関する決議がなされ、2020年1月8日に設立が完了したことを発表した。2019年12月には、グローバルアフィリエイトサービス「webridge」の提供を開始。東南アジアを中心にサービスを展開しており、堅調に推移していることから、更なる拡大を視野にマレーシア現地法人設立して進出を決定した。
久光製薬は2020年1月10日、取締役会でマレーシアに新会社を設立することを決定したと発表した。同国の成長性を見込み、まずは販売会社を置く。同国では輸入代理店を通じて「サロンパス」を中心に外用鎮痛・消炎薬(貼付剤)を販売しており、現地法人の設立によって自社販売体制に切り替える。
首都クアラルンプールに、2020年10月に久光ファーマシューティカル・マレーシア(予定)を設立する。資本金は100万リンギ(約2,686万円)で、久光の完全子会社となる。代表者には、国際事業部長の齋藤久取締役執行役員が就く。
井村屋グループ は2020年2月5日、東南アジア諸国連合(ASEAN)での事業展開に向け、マレーシアのアイスクリーム市場に進出すると発表した。現地の独立系中堅アイスクリームメーカー、ポーラー・アイスクリームと戦略提携し、委託生産する。あずきを中心とした「和」のアイスを6月から売り出す。
総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、海外向けブランド「ドンドンドンキ」のマレーシア1号店を、首都クアラルンプール(KL)中心部の商業施設「ロット10」に開業する予定。「ロット10」内の複数のフロアを改装して開業準備を行っている。
- 株式会社日本M&Aセンターがマレーシア駐在員事務所開設
株式会社日本M&Aセンターは、近年増加しているクロスボーダーM&Aの中でも特にニーズが強い東南アジアへの対応強化を目的として、2020年3月10日にマレーシア駐在員事務所を開設した。
- すかいらーくホールディングス、「しゃぶ葉 」のマレーシア1号店をソフトオープン
すかいらーくホールディングスの完全子会社すかいらーくマレーシアは8月12日、しゃぶしゃぶビュッフェ「しゃぶ葉(しゃぶよう) 」のマレーシア1号店をソフトオープンした。すかいらーくの海外展開は台湾に続いて2カ国目となる。しゃぶ葉1号店は、首都クアラルンプールの商業施設サンウエー・ベロシティー・モールの3階に設けた。座席数は134席で、日本の店舗と同様に豚肉や牛肉、約20種類の野菜、デザートなどをビュッフェ形式で提供する。
2019年のマレーシア進出事例
サイバネットシステムは2018年11月29日にマレーシアに子会社を設立し、2019年3月から営業を開始する。子会社名はサイバネット・システムズ・マレーシアで、クアラルンプールに所在。資本金は400万リンギで、全額サイバネットシステムが出資し、主な事業はCAEソリューションの販売、技術サポートおよびコンサルティング支援となる。サイバネットシステムは、現在活動している中国、台湾、韓国に続いてASEAN地域に進出することで、アジアにおけるサイバネットブランドのより一層の浸透と、更なる業容拡大を目指すとしている。
アース製薬は2019年3月にマレーシアに現地法人、アース・ホーム・プロダクツ(マレーシア)を設立した。資本金は550万リンギ。アース製薬が全額出資し、虫ケア用品や、家庭用品の販売・輸出入を行う。所在地はクアラルンプールのケポン。
アース製薬はマレーシア現法を設立した理由として、マレーシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)の中核国であり、先進国に近い状況にあることを挙げた。すでに進出しているタイやベトナムと合わせ、同社が日本で培った製品開発力や商品コミュニケーション力を活かすことで、ASEANにおけるプレゼンスを高め、グループ全体の収益向上への貢献を見込んでいる。
商品先物取引を手掛ける豊商事は、2019年2月にマレーシア証券委員会(SC)よりデリバティブ業者のライセンスの交付を受けており、3月21日に現地法人ユタカ・ショウジ・マレーシアの開所式をおこなった。日本の先物取引会社としては、初のマレーシア進出となる。
同社はマレーシア進出について「豊商事はおよそ60年間日本国内で先物仲介をおこなってきたが、日本の先物市場は先細りの見通しが強い。弊社としては海外に経済的な競争力をもった市場をもとめる時期にあった」と説明している。
- ニッポンプラットフォーム、マレーシアに現地法人を開設
モバイル決済サービスなどを提供するニッポンプラットフォームは2019年2月にマレーシアに現地法人、ニッポンプラットフォーム・マレーシアを開設したと発表した。
ニッポンプラットフォームは、2018年12月、シンガポール最大の決済ブランドであるNETSの独占営業権を日本、台湾、香港、タイ、ベトナム、マレーシア、インドの7国・地域で獲得したことを発表。2019年1月より、東南アジアのみならず、全世界での決済ブランドとの提携を加速させ、海外事業を円滑・柔軟・スピーディーに展開するためにマレーシア以外にも台湾、香港、タイ、シンガポール、インドにおいて現地法人を設立、現地での活動を開始した。また、ベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、韓国においても、現地法人設立と進出の準備を行っている。
ニッポンプラットフォームの高木純 代表取締役会長は、「これまでは世界の決済ブランドを日本に連れてくるというインバウンド中心の海外戦略を進めてきた。今後は日本の決済ブランドを海外に連れて行くというアウトバウンドにも力を入れるなど、横展開を進めていく予定だ」と述べている。
- マレーシア味の素、3.5億リンギを投じて新工場を設立へ
マレーシア味の素は、ネグリ・センビラン州セレンバンにあるテックパーク・エンステックにおいて、3億5,500万リンギを投資して新工場を建設する計画。2019年10月に着工し、2022年3月までの完成を予定している。
大西(本社・大阪府大阪市)は、コイケ(本社・東京都品川区)とマレーシア現地法人コイケ・マレーシアと合弁会社OKクラシ(M) 設立し、2019年9月21日に日本規格の衣料品・服飾雑貨を販売する旗艦店「クラシ・マレーシア」をクアラルンプールにオープンすると発表した。
- JA三井リース株式会社がマレーシアに駐在員事務所の開設を決定
JA三井リースグループは中期経営計画「 Real Change 2020 」において海外ビジネスの強化を掲げ、米国・東南アジアを中心に、三井グループ、JAグループが持つ グローバルネットワークを活用したファイナンスおよび周辺事業を展開している。 この一環として、マレーシアの首都クアラルンプールに駐在員事務所の開設を決定し、 2019年 9 月 17 日付でマレーシア投資開発庁(MIDA)から設立許可を取得、10 月下旬の 開所を予定している。
産業用ボイラの三浦工業(本社・愛媛県松山市)は2019年10月15日、グループ会社のミウラ・サウスイースト・アジア・ホールディングス社(MSEA)がクアラルンプールにミウラ・ボイラ・マレーシアを設立したと発表した。
2020年のマレーシア進出状況
2020年1月~3月にかけて、日系企業のマレーシア進出についてはサービス業を中心に堅調に増加していたものの、3月以降、コロナ禍の影響拡大とともに、マレーシアのロックダウン発令やビザ発給の停止によって、多くの日系企業のマレーシア進出計画は変更を余儀なくされた。
当初2021年内に開業が計画されている「三井ショッピングパーク ららぽーとクアラルンプール」などの大型開発計画についても、当初の計画が変更になったものの、2020年8月以降、マレーシア進出手続きの再開、進出計画の再実行に向けて調整を再開する動きがでている。
マレーシア進出に役立つ書籍
マレーシア進出時のおすすめ書籍はこの3冊。
マレーシア進出 関連情報
マレーシアで法人を設立する際の手順を詳しくご説明いたします。「何から準備すればよいの?」「進出形態」や「事前準備」から実際に手続きで必要になる「定款の作成」や「取締役会」について詳しく解説しています。専門家への問い合わせも可能です。
マレーシアに進出して会社を設立する場合に、「どのくらいの費用がかかるのか?」というお問い合わせを多くいただいています。そこで、マレーシア現地で実際に調査した料金、価格に基づいて具体的な費用をご紹介しています。
マレーシアで会社を設立する際に必要となる書類とその書類に記入する情報をまとめたシートをダウンロードすることが可能です。何を準備していけばよいのかが分かります。
現地密着マレーシア進出コンサルティング
マレーシアの現地で長年にわたって活躍されているコンサルタントをご紹介いたします。現地に密着しているからこそ得られるノウハウによって企業の進出をサポートいたします。
マレーシアの従業員が加入することができる積み立て年金制度「EPF」について解説。EPFとはどのような制度なのか、基本的な年金の仕組みががよくわかります。
マレーシアで法人設立した後、取得すべきビジネスライセンスについて、具体的な取得方法などを解説いたします。
東南アジアなかでも企業の進出先や投資先、さらには起業する国として注目されているマレーシア。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?その国の特性やメリットを知ることでビジネスや投資計画を立てやすくなります。
-
市場調査・レポートを無料でダウンロード
CONNECTIONでは、マレーシア進出に役立つ資料、マレーシアの事業成長に役立つ各種市場調査、マーケットデータ、発表資料などを無料で提供しています。メンバー登録のうえご利用ください。