マレーシア出張:マレーシアのビジネスマナー (挨拶・服装・印象)
挨拶から女性の服装、ミーティングでの好印象を残すために気をつけたいマレーシアのルール
マレーシアは多文化国家であり、マレー系マレーシア人だけでなく、中国系やインド系と共にビジネスを
していかなければなりません。彼らはそれぞれ異なる行動ルールを持ち民族ごとに適切なビジネスマナーがあります。
海外出張の前や、海外インターンの前に知っておきたいマレーシア特有のビジネスマナーをまとめました。
今回は挨拶から服装まで幅広くご紹介していきたいと思います。
挨拶時の握手のマナー
握手は民族ごとに異なるルールがあります。マレーシアはイスラム国家であるため、異性間の身体的な接触を避ける風
潮があります。特にマレー系女性と男性が握手をする際には注意が必要です。同僚に聞いたところ女性が男性と握手を
することはビジネスシーンでもあまりないそうです。
おすすめの対応として、女性側が握手を求めてくるまで様子を伺った方が良いです。もし女性側が手を差し出さなかった場合は、リスペクトを表す行動として、手を心臓近くにかざしたまま軽く会釈のみをしましょう。
筆者の場合、女性から握手を求める際には問題ないと思い、手を差し出したところ男性のマレーシア人の方に握手を断られました。男性がムスリムの場合でも握手を断られることがあるので、握手は男女ともに配慮すべきビジネスマナーです。
中国系マレーシア人と握手をする際は特に問題はありません。しかし、ここでも相手側のアクションを見てから反応した方が良いようです。男性同士の場合は、しっかりと握手しましょう。インド系の場合はうなずき軽く微笑むことが多いです。ここで握手しても問題ありません。
服装のマナー
男性はダーク系のパンツと長袖Yシャツ、ネクタイのスーツを身に着けるべきですと書かれているサイトもありますが、基本はノーネクタイで大丈夫です。近年はピンク系統のYシャツもビジネスシーンでは着られるようになり、おしゃれに気を使う男性も多いようです。
会社によってはポロシャツで出勤しても良いところが増えてきている一方Tシャツや短パンなどのカジュアルな服装は日本同様避けるべきでしょう。
女性の服装は男性に比べて自由で、スカートやパンツスタイル、伝統的な服など多種多様です。
しかし、露出の多い服装は避けた方が良いでしょう。 一方、中華系はワンピーススタイルが多いです。
丈も膝上の女性も多く見ますし、色も明るい色が多いです。NGの服装としてTシャツと短パンがあげられます。
女性のメイクは二極化しています。まったく化粧をしない女性と化粧をする女性でわかれており、
仕事ができればどちらでもいいそうです。
同僚情報ですが、化粧などを外見に気を使っている方が、出世などはしやすいようです。
やはり上司だけでなくクライアントと接することもあるため、清潔感などは気にするべきです。
ビジネスミーティングのマナー
ビジネスミーティングの約束をする場合、金曜日はムスリムの礼拝がある日なので避けるべきです。
特に金曜日はモスクまで行かなければならないため、会社に戻ってくる時間も読めないことが多く、
マレー系の多い会社に訪問する際は配慮した方が良さそうです。
日本と変わらず、約束の時間には時間通り、もしくは少し早めに着きましょう。
マレー系とインド系は時間に寛容ですが、中国系は時間に正確な傾向があります。
1番最初のミーティングで事業決定がなされることはほとんどありません。
基本的に最初のミーティングでは親しみやすさや信頼を元にビジネスの関係を築くことが目的となり
雑談からスタートします。雑談の内容についてですが、とても個人的な質問などは避けるべきですが、
趣味や興味関心、家族等についての話は大丈夫です。
マレーシアの同僚からのアドバイスですが、マレーシア人は初対面の人と会った際「How are you?」から始まり
「道は混んでましたか?」「ご飯は食べましたか」などを聞きます。日本人の場合、そのようなsmall talkが少ないのでもっと話した方が信頼関係を構築するのに良いそうです。
マレーシアの文化およびマレーシアのビジネス文化は階級や役職を重要視しているので、より重要な役職の方には尊敬
の意を見せた方がよさそうです。会話をする際は丁寧に対応し、どんな状況でも公共の場で怒りを表すべきではありま
せん。また、集団でいる際に同僚の批判や辱める行為などは決してしてはいけません。
ミーティングを進める中で気を付ける言動として、提案されたことに始めから“No”と言うのは避けるべきです。
必ず“I will try”と頑張る姿勢を見せた方がいいようです。
そして質問等に答える場合、答えに迷って一瞬沈黙する場面があっても心配するほどのことではありません。
むしろ質問をよく考えてから答えていると相手に印象づけることができます。
オフィスでは基本的に靴ですが、もし同僚に家に招待された場合、家に入る際に靴を脱ぐのを忘れないようにしましょう。多民族国家であるマレーシアでは、各民族で新年が異なるため、その都度パーティーに招待されたり、
誕生日会で家を訪問することも多いです。
食事をする時や相手に触れる時は右手だけ使うように意識しましょう。
イスラム教やヒンディー教では左手は不浄の手として考えられています。
また、日本のように企業を訪問する際にお土産を持っていくという文化は浸透していません。
持っていく際はイスラム教で禁止されているアルコールや豚肉製品や豚由来の製品は避けるべきでしょう。
日本でよくお土産として持っていく茶菓子等に、稀にイスラム教で禁止されている成分が使われている場合もあるので
確認した方が良さそうです。
名前の呼び方のマナー
一般的なルールとして、役職や名字で呼ぶのが普通です。
日本同様名前(ファーストネーム)で呼び合うことはビジネスシーンではないようです。
紛らわしいのが、多くのマレーシア人は名字を持たず、父親の名前に“bin”(~の息子という意味)という単語を
加えることで名字の役割として使っています。女性の場合は“binti”を使用します。
【例】
自分の名前;Noor Neelofa
性別:女性
父親の名前:Mohd Noor
→正式な名前はNoor Neelofa binti Mohd Noor
基本的にはどの民族でも“Mr”や“Ms”をつけて名前を呼ぶのがビジネスシーンでは多いです。
多くはないですが、マレーシア人の中にも政府から称号を与えられている人がいます。
その場合は“Tun”, “Tan Sri”, “Dato” and “Datuk”とついており、その場合はその称号と名前を呼ぶのが一般的です。
中華系の場合、英語名の名前を使っていることが多く、名刺に書かれている名前と自己紹介した名前が違うなんてこともあります。その場合は自己紹介していた時の名前で呼ぶようにしましょう。
名刺交換のマナー
名刺交換の仕方は日本と同様です。初めて会った際にお互い名刺を交換し、渡し方は相手側に名前を向けた状態で交換し、受け取った名刺はテーブルの端においておきます。
マレーシアでは一般的に飛び込み営業の人とは名刺交換は行いません。
ビジネスをする相手のみとしか名刺交換をしないので飛び込み営業などで来た来客などとは交換せず、良い製品だったら名刺を渡すようにしているそうです。
その理由を聞いてみたところ名刺は個人情報という意識が強いらしく自分の知らない相手に渡すのはためらうと言っていました。
ちなみにマレーシアでは日本のように絶対に名刺入れに名刺を入れて持ち歩かなければならないということはなく、ネームカードの裏に入れていたり、手帳に挟んでいたり比較的自由です。
マナーのまとめ
握手や服装などは民族ごとに異なるマナーがあり、行動によっては相手を不快にしてしまいせっかくの
ビジネスチャンスを失う場合もあるため上記のことは覚えておいた方がいいです。その他にも食事に行く際などは
相手の宗教に配慮しお店選びをしましょう。マレー系の場合は豚肉料理、インド系の場合は牛肉が食べれないので、
もし食事に行くメンバーにマレー系やインド系の方がいるような場合はハラールのお店や事前に電話で確認する等
注意が必要です。
コネクションでは投資レポートや政府が発行する経済情報などをマレーシアで働く人や会社向けに掲載しています。
より詳しい資料等をダウンロードしたい場合は下記から無料でダウンロードできます。
当サイトのコンテンツや記事において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、記載内容について必ずしも正確性を保証するものではありません。無断転載は禁止いたします。
« [マレーシアトップ30社]マレーシアの証券取引所と上場企業一覧 | 【市場調査】マレーシア人が働きたい企業ランキングトップ10 »