マレーシアの税金を解説(個人所得税、法人所得税)

マレーシアの税金

 

マレーシアの税金について解説

マレーシアの税金について分かりやすく解説いたします。
マレーシアの個人/法人所得税の特色。課税される居住者の定義とは?税率は何%?
ペナルティーを受けないように税金の仕組みを理解しておきましょう。

マレーシアの法人所得税の特色

2020年現在、マレーシアの法人税率は課税所得の24%となっています。
ただし、中小企業(払込資本金が250万リンギ以下)でかつ年間売上が5,000万リンギ以下の場合、課税所得60万リンギまでは税率17%、課税所得60万リンギを超える分は税率24%となります。
 

マレーシアの居住法人に対する課税

法人は居住法人および非居住法人に分類されます。
居住法人とは、その営業の管理、支配がマレーシア内で行われている法人と定義されています。つまり、取締役会などの意思決定がマレーシア国内で行われている会社を意味しています。この考え方においては外国法人であっても、マレーシア国内で実質的な事業を行っている場合には居住法人と同様の課税を受けることになります。
 

月次納付

事業年度開始日より30日前までに当該事業年度の年間法人所得税の見積もり額をマレーシア国税庁に提出する必要があります。そして、この見積もり額に基づいて、基準期間の第2ヶ月目から毎月15日までに国税庁に対して月次納付を行うことになります。

この見積もり額に基づく月次納付の12か月分の累積額が最終税額を30%以上下回った場合、不足額の10%相当がペナルティーとして課せられます。
しっかりと納税額を算定して、予測と立てておかなければ、ペナルティーが発生してしまうことになってしまいます。この見積もり額は事業年度の6ヶ月目および9ヶ月目に変更を申請できますので、9ヶ月目の変更は特に慎重に見込みを計算しておくことになります。
 

申告納付期限

事業年度終了日から7ヵ月以内に確定申告書を提出するとともに、月次納付累計額と確定税額との差額を納付します。

事業を展開する際に生じるその他の主な税金

売上税サービス税(SST)

①課税物品の輸入、国内で登録事業者により製造される課税物品や特定の課税サービスが対象。 ②税率は売上税が5%又は10%、サービス税が6%(既存の物品・サービス税(GST)は2018年8月31日をもって廃止)。

不動産利得税(RPGT)

不動産売却から生じたキャピタルゲイン及び不動産主体会社(総資産に占める不動産の割合が75%以上で5名以下の株主に支配されている会社)の株式売却から生じたキャピタルゲインに対する課税。税率は法人の場合10%~30%(処分までの期間により変動)。

印紙税

広範囲の文書に対して課税されます。 税率は0.1%~4%(契約金額や文書の性質に応じて税率が異なる)。

源泉税

非居住者に対する利子、ロイヤリティー、国内で行われる役務提供、動産の貸借及びその他の所得の支払いに対し、10%~15%の源泉税が課税されます。2019年度改正により、課税の対象となる役務が技術的な性質を有するか否かは課税の有無に影響を与えないこととなりました。
 

マレーシアの個人所得税の特色

つづいて、マレーシアの居住者個人にかかる税金として個人所得税について解説いたします。

個人所得税を計算する場合、対象となる個人が居住者であるか非居住者であるかにより、所得範囲、税率および税率控除の有無等が異なります 。したがって、個人の所得税を計算する場合には、まず対象となる個人が居住者か非居住者であるかを判断する必要があります 。
 

居住者、非居住者の定義

居住者の判断はマレーシアでの滞在日数を基準とします。国籍や本籍、出生地を基準とすることはありません。あくまでマレーシアの滞在日数に基づいて居住者か非居住者かを判断されます。

次のうち、ひとつでも該当する場合は所得税法上の居住者となります。
 
  • 当暦年に182日以上滞在した場合。(この滞在中、就労していたか否かは関係ありません。)
  • 当暦年の滞在日数は182日未満であるが、前暦年からあるいは翌暦年に連続して182日以上滞在する場合、当暦年において所得税法上の居住者となります。例えば、赴任初年度の暦年には40日しか滞在しないが、翌暦年からは1年を通じてマレーシアにおける勤務が予定されている場合や、逆に、日本への帰国が決まって、当年度の滞在日数が40日しかないという場合などを想定しています。
  • 当暦年で90日以上滞在しており、かつ直前の4暦年中、3暦年において、①居住者である場合、または②90日以上マレーシアに滞在している場合には当暦年において居住者となります。
  • 過去3暦年および直後の暦年においても居住者となる場合、当暦年においても居住者となります。マレーシア人が1年間だけマレーシア国外にでるような場合などを想定しています。
 

課税対象となる所得

居住者かどうかを判断したうえで、次は課税対象となる所得があるかどうかを判断します。

マレーシア源泉所得とみなされる給与所得は以下の通りです。
 
  • マレーシア国内で就労している限り、雇用者が海外法人であっても、また給与が海外で支給された場合であってもマレーシア源泉所得とみなされます。
  • マレーシアでの業務と関連する海外出張は国内の就労とみなされます。
  • マレーシア国外で就労している場合であってもそれが国内の業務と関連不可分のものである場合は国内の就労とみなされます。
  • マレーシア法人の取締役として受ける報酬は本人が国内に居住しているか否かを問わず全てマレーシア源泉所得となります。
  • マレーシア居住者により運営されている船舶、航空、運輸業において実施される就労は全てマレーシア国内での就労とみなされます。
 

2018年度以降の所得税率表

総所得金額から各種所得控除額を差し引いた課税所得金額に対して、次の累進課税を乗じて所得税額を算出します。
 
年度の所得金額(リンギット) 税率(%)
1-5,000 0%
5,000 - 20,000 1%
20,001 - 35,000 3%
35,001 - 50,000 8%
50,001 - 70,000 14%
70,001 - 100,000 21%
100,001 - 250,000 24%
250,001 - 400,000 24.5%
400,001 - 600,000 25%
600,001 - 1,000,000 26%
1,000,000超 28%
 

申告納付手続き

マレーシアでは、毎月税額の納付を行ない、その後年次の確定申告で 過不足分の調整を行うという流れになっています。そのため雇用主は 源泉徴収という形で毎月15日までに徴収した源泉税をマレーシア内国歳入庁に支払います 。

マレーシアでの個人所得税の申告には以下の種類があります 。
  • 所定の用紙に直接に記入し窓口で申告
  • e-filingというインターネット上でのシステムを利用した申告
 

納税スケジュール

マレーシアにおける個人所得税の課税対象期間は1月1日から12月31日であり、当該課税年度の翌年の4月30日(e-Filingでの申告の場合は5月15日)までに申告及び納付を行う必要があります。雇用主は従業員に対して給与支払明細書を作成し交付します 。

 

関連情報


本記事はTK International Sdn Bhdがマレーシア現地の取材で得た情報をもとに作成しています。
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