【マレーシアの言語】公用語であるマレー語とは?(動画で分かりやすく)
~マレー語の歴史、文化、そして旅先で使える基本表現まで~
東南アジアの多民族国家・マレーシアにおいて、国民をつなぐ共通言語として機能しているのがマレー語(Bahasa Malaysia)です。憲法で国語として定められ、教育、行政、メディア、ビジネスにおいて幅広く使用されているこの言語は、単なるコミュニケーション手段にとどまらず、マレーシアの文化的アイデンティティそのものでもあります。
本記事では、マレー語の歴史的背景、特徴、社会における位置づけを解説した上で、旅行や日常会話で役立つ基本フレーズもご紹介します。
マレー語の学習に役立つ動画
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マレー語とは? ― 東南アジアに根付く古くて新しい言語
公用語としてのマレー語
マレー語(Bahasa Malaysia)は、マレーシアの唯一の公用語であり、国家の統一とアイデンティティの象徴とされています。マレーシア連邦憲法第152条により、すべての行政文書、公教育、官報、議会などでの使用が義務づけられています。
「Bahasa Malaysia(バハサ・マレーシア)」は「マレーシアの言語」という意味で、1970年代以降、民族的中立性を強調する目的でこの名称が用いられるようになりました。それ以前は「Bahasa Melayu(マレー人の言葉)」と呼ばれていましたが、現在も両方の名称が使われています。
マレー語の起源と歴史
マレー語は、オーストロネシア語族に属する言語で、語彙や構造においてインドネシア語やフィリピン語と深い関連性を持っています。
・古代から中世まで7世紀頃、スマトラ島にあったシュリーヴィジャヤ王国では、既にマレー語が宗教や貿易の共通語として使われていた記録があり、当時の碑文や仏教経典にもマレー語が刻まれています。
その後、15世紀に登場したマラッカ王国では、イスラム教とともにマレー語も隆盛を迎えました。この時代には、アラビア文字を元にした「ジャウィ文字」が使われ、宗教文書、文学、商取引などあらゆる分野でマレー語が記録されました。
・植民地時代と言語政策16世紀以降、ポルトガル、オランダ、そしてイギリスの植民地支配が進む中で、マレー語は一時的に公の場から姿を消します。代わって、植民地行政には英語が使われました。
しかし、マレー語は庶民の言語として根強く残り、1957年の独立後に国家建設の柱として再び正式な国語の地位を与えられました。
マレー語の言語的特徴
文法構造
マレー語は文法が非常にシンプルで、学習者にとって比較的習得しやすい言語とされています。
-
動詞の活用がない(時制は文脈で判断)
-
名詞の性別区別なし
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冠詞や複雑な格変化がない
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語順は基本的に「SVO」(主語・動詞・目的語)
例:
Saya makan nasi.(私はご飯を食べます)
"Saya"=私、"makan"=食べる、"nasi"=ご飯
発音
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母音は[a], [e], [i], [o], [u]の5種類で、日本語に近い
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つづり通りに読むのが基本
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強調する位置は語の末尾が多い
語彙の多様性
マレー語には、アラビア語、サンスクリット語、英語、オランダ語、中国語などからの借用語が豊富に含まれています。たとえば:
-
Sekolah(学校)→ オランダ語由来
-
Dunia(世界)→ アラビア語由来
-
Bas(バス)→ 英語由来
社会の中のマレー語
教育と言語政策
公立学校では、小学校から大学に至るまで、主要な授業はマレー語で行われます。一方、中華系・インド系の民族学校では中国語やタミル語を使いつつ、マレー語は必修科目として全生徒に教えられています。
メディアとマレー語
新聞、テレビ、ラジオなどの主要なマスメディアもマレー語が中心です。また、映画や音楽でも広く使われ、国民意識の形成に貢献しています。
日常会話におけるマレー語
中華系やインド系など非マレー系住民の多くも、日常生活ではマレー語を流暢に使いこなしています。ただし家庭内では中国語やタミル語を使う場合も多く、マルチリンガルな会話がごく自然に行われています。
旅行で使えるマレー語の基本フレーズ
ここでは、マレーシアを旅行する際や、現地の人と出会ったときにすぐ使える便利なマレー語フレーズをご紹介します。シンプルながら印象が良く、現地の人との距離を縮めるのに役立ちます。
挨拶・自己紹介
日本語 | マレー語 | 読み方 |
---|---|---|
こんにちは | Selamat tengah hari | スラマッ・トゥンガ・ハリ |
おはようございます | Selamat pagi | スラマッ・パギ |
こんばんは | Selamat malam | スラマッ・マラム |
はじめまして | Gembira berjumpa dengan anda | グンビラ・ブルジュンパ・ドゥンガン・アンダ |
私の名前は~です | Nama saya ~ | ナマ・サヤ ~ |
よろしくお願いします | Sila berkenalan | シラ・ブルケナラン |
旅行で役立つフレーズ
シーン | マレー語 | 読み方 |
---|---|---|
トイレはどこですか? | Di mana tandas? | ディ・マナ・タンダス? |
いくらですか? | Berapa harganya? | ブラパ・ハルガニャ? |
これをください | Saya mahu ini | サヤ・マフ・イニ |
おいしい! | Sedap! | スダップ! |
助けてください! | Tolong! | トロン! |
英語を話せますか? | Boleh cakap Inggeris? | ボレ・チャカップ・イングリス? |
タクシーや移動のフレーズ
日本語 | マレー語 |
---|---|
ここに行きたいです | Saya mahu pergi ke sini |
いくらかかりますか? | Berapa tambangnya? |
メーターを使ってください | Sila guna meter |
レストランでのフレーズ
日本語 | マレー語 |
---|---|
メニューを見せてください | Boleh tunjukkan menu? |
おすすめはありますか? | Ada cadangan makanan? |
お会計お願いします | Minta bil, ya |
終わりに:マレー語を知ることはマレーシアを深く理解すること
マレー語は、単にマレーシアの公用語というだけでなく、国の文化、歴史、民族間の関係性、そして人々の心をつなぐ重要な要素です。旅行者やビジネス関係者にとって、少しでもマレー語に親しむことは、相手の心を開き、現地社会とより良い関係を築く鍵となります。
数語の挨拶でも、笑顔とともに使えば、それだけで信頼感が生まれます。
次にマレーシアを訪れる際には、ぜひマレー語で「Selamat datang(ようこそ)」と迎えられ、「Terima kasih(ありがとう)」と応えてみてください。
マレーシア留学に役立つ動画
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