マレーシアでは何語が話されているの?
マレーシアでは何語が話されているの?
多民族国家の言語事情を歴史・教育・民族別に徹底解説東南アジア屈指の多民族国家・マレーシア。街を歩けば、マレー語、英語、中国語、タミル語、そして先住民族の言語まで、実に多彩な言葉が飛び交っています。
この記事では、マレーシアで話されている言語について、
✅ 歴史的な背景
✅ 民族ごとの言語習慣
✅ 教育制度と母語教育
など、幅広い視点から丁寧に解説します。
マレーシアの公用語は「マレー語(Bahasa Malaysia)」
マレーシアの国語であり、公用語に定められているのがマレー語(Bahasa Malaysia)です。政治、行政、教育、テレビ、ラジオなど、公的な場面ではすべてマレー語が使われています。この動画では、マレー語の基本100フレーズを学ぶことができます。
日本語のあとにマレー語のフレーズがゆっくりと流れます。
歴史的な背景
マレー語は、7世紀ごろから東南アジアで交易言語として使われており、14~15世紀のマラッカ王国ではジャウィ文字を使って発展しました。イギリス植民地時代を経て、1957年の独立以降、国語としての地位が確立。現在も国民統合の象徴的言語とされています。英語:ビジネスや都市部での共通語
マレーシアでは英語も非常に広く使われている言語です。法律上は公用語ではないものの、英語が準公用語(共通言語)として広く使用されており、ビジネス、大学教育、観光、IT業界など多くの分野で使用されています。英語の役割
- 都市部の中流以上の家庭では家庭内言語としても使用
- 中華系・インド系の学校や国際学校では授業が英語中心
- 企業や政府機関でも文書や会話で使用頻度が高い
中華系マレーシア人の言語:中国語と多様な方言
マレーシアの人口の約23%を占める中華系住民は、中国語(普通話)と方言(福建語、広東語、客家語など)を併用しています。よく使われる方言
- 福建語(ホッキエン):ペナン、マラッカなど
- 広東語:クアラルンプール周辺
- 客家語・潮州語:一部地域で根強い使用者あり
インド系マレーシア人の言語:主にタミル語
人口の約7%を占めるインド系住民の大半は、南インド出身のタミル系。そのため、タミル語が主要な母語として使用されています。タミル語の使用シーン
- 家庭や地域社会での会話
- ヒンドゥー教寺院での宗教儀式
- タミル語小学校(SJKT)での授業
先住民族の言語:サバ州・サラワク州の多言語
マレーシア東部(ボルネオ島)に位置するサバ州とサラワク州には、イバン族やカダザン族、ドゥスン族などの先住民族が暮らしており、それぞれ固有の言語を持っています。代表的な言語
- イバン語(サラワク州)
- カダザン語・ドゥスン語(サバ州)
教育制度とマルチリンガル環境
マレーシアの公用語はマレー語ですが、多民族国家のマレーシアではそれぞれの民族の言語で学ぶ機会が提供されています。マレーシアの教育制度は、多民族・多言語に対応した柔軟な構造を持っています。小学校の種類と使用言語
学校 | 在籍人種 | 使用言語 |
一般公立学校 | マレー系・インド系・中華系 | マレー語・英語 |
中華系公立・私立学校 | 中華系多数 | 中国・英語・マレー語 |
インターナショナル | 中華系・マレー系・外国人 | 英語+選択言語 |
なぜマレーシアではこんなに多くの言語が話されるのか?
マレーシアの言語的多様性には、次のような背景があります。- 多民族社会:マレー系、中華系、インド系、先住民族が共存
- 移民の歴史:19~20世紀に中国・インドからの労働移民が急増
- 植民地支配の影響:イギリスによる英語教育と行政システム
- 宗教・文化との結びつき:イスラム教・仏教・ヒンドゥー教など宗教による言語使用の差異
まとめ:マレーシアの多言語社会は宝の山
マレーシアは、アジアでも類を見ない多言語国家です。公用語のマレー語を軸に、英語、中国語、タミル語、先住民族の言語が共存しています。この豊かな言語環境は、文化の多様性を生み、教育やビジネスにも柔軟性と競争力をもたらしています。
外国人としてマレーシアに訪れる際や住む際も、この言語の多様性を理解することで、現地の人々との距離がぐっと縮まるはずです。
- マレー語とインドネシア語はほぼ同じ言語です(表現や語彙に違いあり)
- マレーシアでは英語のアクセントが独特で「Manglish(マングリッシュ)」と呼ばれることも
- 多言語を話すことで子どもの脳の発達や問題解決能力が高まるとの研究も
こちらではマレーシア旅行に向けて基本的なフレーズを学ぶことができます。ぜひ挑戦してみましょう。
« 【2025年最新版】マレーシア入国に必須!デジタルアライバルカード(MDA... | <動画で解説>マレーシア親子移住のリアル:教育・生活・ビザの最新情報を専門... »