【クアラルンプール】 マレーシアのドリアン生産者は、国内のドリアン生産量が今年60%減少しており、生産コストの増大も加わって国内価格が上昇することが懸念されるとしている。
「マレーシア・インサイト」(TMI)によると、通常5月に行われるドリアンの収穫が大雨の影響を受けており、ペナン、ジョホール、パハン各州で「ムサン・キング」と「ブラックソーン」の2品種が60ー80%減少している。
またロシアによるウクライナ侵略に影響を受けた肥料価格の上昇と、新型コロナウイルス「Covid-19」封じ込めのためのゼロ・コロナ政策により1カ月にわたるロックダウンを続けている上海港の閉鎖が影響をもたらしている。それに加えて、営業コスト上昇や労働力不足、輸送コストの増大、燃料や肥料価格の上昇も価格上昇に拍車をかけている。
ドリアン農園、オーキーキング・エンタープライズのオーナー、ヘン・ミーオー氏は、通常ならば1シーズンに10トン収穫できるが今年は天候不順で2トンにとどまっていると指摘。肥料価格は1トン当たり通常の2倍の6,000リンギになっており、通常1キログラム当たり75ー80リンギ程度の「ブラックソーン」の価格が100リンギまで上昇しているとしている。
トップ・フルーツのタン・スーシアン社長は、2016年に6,990万リンギだったドリアン輸出額は2020年には1億4,500万リンギと107%増となったが、今年については冷凍ドリアンの輸出額が50%減少すると予想しており、国内価格についても「ムサン・キング」で60リンギに上昇すると予想している。
ドゥライ・フルーツ・エンタープライズのエリック・チャン社長は、特にロジスティクスに関して多くの不確実性があるため、ゼロ・コロナ政策による中国・上海港の閉鎖で売り上げが30%減少すると予想している。
(マレー・メイル、5月6日)
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Asia Infonet