マレーシアで事業を開始するにあたって、多くの企業が現地の従業員を雇用することと思います。しかし人材の質や日本とは異なる労働習慣などに不安を抱えている方も多くいるのではないでしょうか。そんな方のために、この記事では会社や職場にマレーシア人が求めるもの、また各民族の労働姿勢について解説いたします
 

マレーシア人が仕事に求めるもの

マレーシア人の従業員が企業に求めているものとしては主に以下の８項目があります。
 

• 魅力的な給与
  　　
  マレーシアでも、職業を決める際の最も重要な要因の一つは給料です。基本給だけでなく、業績に応じてボーナスを支給すること、祝日に働いた際は２倍の給料が支給されることなど求める声が多くあります。また、世代別の希望給与上昇率はX世代で24%、ミレニアム世代で23%、Z世代で30%と非常に高くなっています。マレーシアだけでなく東南アジアの国は愛社意識が薄いので良い給料を支給することは社員を定着させることに役立つでしょう。
   
• ワークライフバランス
  　　
  プライベートを重視する傾向が強いマレーシア人にとってワークライフバランスは重要な要因です。60％以上の人材が適切な日数の有給を求めており、自己の裁量で有給取得を求める声も多くあります。また、固定された勤務時間と週休２日制に加え、約４割が残業をしないで帰宅できることを望んでいます。
   
• キャリア開発の機会
  
  より良い給与や地位を求めて働く従業員たちは、スキルアップの機会やリーダーシップを獲得する環境が提供されることを求めています。また、技術職に就く４割以上の労働者は、スキル向上のためのトレーニングは必要不可欠だと答えています。
   
• 雇用形態
  
  ほとんどのマレーシア人は契約社員など短期雇用を受け入れてくれません。実際に短期雇用を検討する割合は10%に留まっており、基本的に正社員として雇用する必要があるでしょう。
   
• 優秀な上司と協力的な企業文化
  
  従業員は上司や同僚が礼儀正しく、お互いをリスペクトすることを求めています。また部下、同僚が困ったときに、協力的であることも重要です。マレーシア人は職場の人間関係をとても重要視しており、良好な人間関係はよいパフォーマンスのためにも必須でしょう。
   
• 交通の便
  
  特に都市部で働く従業員たちは、交通の便を重要視しています。マレーシアは車社会なので、51%の従業員が駐車場は必須であると答えています。自宅から職場までの経路で渋滞が少ないかどうかも重要なポイントです。
   
• 会社の評判や収益性
  
  多くの従業員が会社の評判や収益性を気にしています。具体的には、雇用主が多様性と社会的包摂を意識しているかどうか企業ビジョン、従業員の口コミが重要な要素になっています。
   
• 福利厚生
  
  日本企業と同じく、マレーシアでも福利厚生は重視されています。半数以上のマレーシア求職者が交通費手当、自分と家族への医療費補助、子供の教育補助が必要だと回答しています。また、健康・生命・収入への保険を求める声も多くあります。

各民族の就業姿勢

次に各民族の就業姿勢についてご説明いたします。マレーシアはマレー系、中華系、インド系の３民族で主に構成されています。それぞれの民族の特徴を押さえておくことで経営をスムーズに行うことができます。

 

マレー系

マレー系の人々はおっとりとした性格の方が多く、仕事と私生活のバランスを重視する傾向にあります。また、彼らのほとんどはイスラム教徒です。イスラム教徒の男性は金曜日にはモスクに礼拝に行くので、配慮が必要です。イスラム教の価値観と伝統が影響しており、お金持ちになることが幸せだという考えは比較的薄いです。

中華系

中華系の人々は、他民族に比べお金をより重視する傾向にあります。残業をいとわない人も多く勤勉に働きますが、より良い条件を提示されると積極的に転職する傾向にあります。また、時間を守れる人も多いです。中華系は３民族の中で最も給与が高いです。

 

インド系

インド系の人々は肉体労働やタクシードライバー等の職に就く人が多いです。54%のインディアンがプランテーションまたは肉体労働者として働いています。それに加え、インド系は人口の７%なのでオフィスで見ることは少ないです。
 

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