東南アジアで急成長するショッピー「Shopee」越境ECにも追い風
コロナ禍のなか、急速に拡大するEコマース市場
コロナ禍で多くの企業が収益予想を減らすなか、EコマースプラットフォームShopeeは急成長を遂げている。2020年6月30日、2020年第1四半期の売上高(調整後)、受注件数がいずれも前年同期比2.1倍に拡大したと発表した。東南アジア全体のインターネット経済としては、2021年に流通取引総額が1740億ドルを達成し、さらに2025年までに3630億ドル規模へ成長する見込みとされている。(出典:e-Conomy SEA 2021)
Shopeeマレーシアのマーケティングリーダーであるロック氏によると、このような急速な成長は、MaybankカードやVisaカードとのパートナーシップなど、戦略的パートナーシップによって、マレーシア人の買い物のニーズに応えていることが主な要因だと語っている。具体的には、今までeコマースを利用していないVisaカード所有者の8人に1人は、今年初めてオンラインで買い物を体験したと語り、カード保有者が順次、Shopeeのユーザーに移行していることを示した。
また、コロナ禍のなか、外出を控える生活習慣に変わったことが影響して、オンラインでの買い物体験が特別なものではなくなり、生活必需品もオンラインで購入する比率が増えたことを挙げている。VISAが行った調査レポートによると、マレーシア人の約80%は、オンライン支出の増加する傾向にあると回答、また、約60%が、実店舗に行くよりもオンラインショッピングの方が便利だと考えていると述べている。
2015年の創業以来、急成長するショッピー「Shopee」とは
Shopeeはシンガポール企業 Seaグループによって2015年にシンガポールで最初に立ち上げられた。2017年にはNASDAQ株式市場にて10億ドルでの上場を果たし、中国のテンセント(Tencent)社が同社株式の39.7%を所有している。その資金力を背景として、積極的に事業を展開する傾向が強まった。シンガポールの後、マレーシア、タイ、台湾、インドネシア、ベトナム、フィリピンへと事業を拡大した。2018年のモール型ECサイトのマレーシアでのマーケットシェアは、ラザダ(Lazada)がデスクトップおよびモバイル経由で、マレーシアのみならず東南アジア各国で最も訪問者の多いeコマース企業としてトップの地位を堅持していた。一方、訪問者数第2位のショッピー(Shopee)は、ラザダのリードを地域レベルで66%まで追い上げたものの、追い抜くには至らなかった。
このトレンドは2019年に入っても続いたが、2019年第2四半期になると、ショッピーがこれまで首位だったラザダを初めてMAU(月間アクティブユーザー数)で追い抜いた。ショッピーがMAU首位を獲得できた理由は、エンターテイメントショーやポップカルチャーを特徴としたプログラムや動画配信サイトでのプロモーションなど、アプリでのユーザーインタラクションを増やすさまざまな戦略を採用したためとみられる。
2019年8月より、国際サッカースターのクリスティアーノ・ロナウドがブランドアンバサダーに就任。各国でCMおよびキャンペーンを同時展開して多くのファンを獲得した。さらに2021年にはジャッキー・チェン、韓国アイドルグループのITZYも起用するなど各国の有名人とパートナーシップを組むことやオフラインでのコマーシャルも積極的に展開することで知名度を上げている。
こうした取り組みの効果もあり、2021年、世界ショッピングアプリランキングでは、Apple App StoreとGoogle Playを合わせた総合ダウンロード数でShopeeが世界1位を達成。ショッピーは大きな投資をして首位を獲得したことになる。
日本からの越境ECも積極的にサポート
マレーシアをはじめとする東南アジアでECサイトが活況となっている。ECサイトによるオンライン販売の市場拡大は日本からの越境ECを行うにあたっても追い風となる。Shopeeは2019年に日本オフィスを設立し、日本語での出店サポートが可能となった。2022年6月時点で、日本からShopeeを通して越境ECが可能な国は、マレーシア、シンガポール、台湾、タイ、フィリピンの5か国となっている。インドネシアは新規案内の保留中。ベトナムとブラジルは準備中
Shopeeでの日本越境ECの特徴
- 手数料無料:固定費と変動費は日本越境ECはともに無料
- セラーセンターでウェブから店舗管理、API連携も可能
- 送料リベート
- 開店特典の提供
- 多言語支援
- 配送サポート
- 他国で同時展開
- 日本語が通じるスタッフがサポート
- 日本から発送すること
- 5商品以上を出品すること
- 2営業日内に発送すること(プレーオーダーの設定で最大10日以内)
- 英語で対応すること(台湾のみ中国語)
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マレーシアで益々身近になったECサイトによるオンラインショッピング。それにともない急成長するShopeeのECプラットフォームは日々強化されている。日本からの越境ECを行うにあたっても有力なプラットフォームになることだろう。
関連情報
本記事はBridge International Asia Sdn Bhdがマレーシア現地の取材で得た情報をもとに作成しています。
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