マレーシア経済特区 「CyberJaya」サイバージャヤ進出
マレーシア経済特区 「CyberJaya」サイバージャヤとは
サイバージャヤ(Cyberjaya)はマレーシアの首都クアラルンプール中心部から約50キロの距離、クアラルンプール国際空港(KLAI)や新行政都市プトラジャヤとは隣接した位置にあり、1990年代から継続的に都市開発を続けている戦略的な位置づけの経済特区です。マレーシア政府の管轄機関であるマレーシア デジタルエコノミー公社(Malaysia Digital Economy Corporation : MDEC)によりサイバーシティとして指定されており、法人税やマルチメディア関連機器の輸入関税、外国人就労などで優遇措置が認められています。
海外のIT関連企業の誘致先として、税制面などビジネス上の優遇措置が得られる地域に指定されており、ハイテク関連企業やマルチメディア大学が進出しています。
首都クアラルンプールと国際空港からそれぞれ車で20~30分の距離にあり、隣接する新行政首都プトラジャヤと共に国家プロジェクトとして開発が進められています。
マレーシアで最先端のIT関連企業、組織が集積する場所
約6,960エーカーある広大な面積のあるサイバージャヤは、中心部(ダウンタウン)、北エリア、南エリア、西エリアの4つのエリアに分けて、それぞれ特徴のある街づくりが実行されています。ダウンタウンエリア
このエリアは、すでに多くの商業施設や住宅が建設されて多くのが集まり賑わいを見せている場所です。今後の開発の強化ポイントには、技術をもとにした芸術やライフスタイルの改善、更なる商業活動と起業家活動に注入することが当てられます。サイバージャヤのダウンタウンは、商業ビルと小売ビルのブロックが分けられています。そして、健全なマーケットの育成と金融取引による成長を促しています。支払い方法のデジタルツール、顧客管理、POSシステムの使用なども実証実験の場として利用されています。
南エリア(サウスゾーン)
イノベーション地域として指定された南エリアは、スマートモビリティ、スマートヘルスケア、デジタルクリエイティブの3つのテクノロジークラスターの成長を促進しています。 これらのクラスターは、今後のテクノロジーの進化とともに新しいビジネスが創造されることが期待されています。
サイバージャヤでは、この南エリアを活用した実証実験(POC)を推進しています。その実証実験で得られた知見をもとに、新たなビジネスやサービスを創出していく原動力になることを目標としています。サイバージャヤを起点として、将来に渡ってグローバルスタンダードに成長する企業の育成を推進しています。
北エリア(ノースゾーン)
グローバルビジネス地区として指定されたCyberjayaノースゾーンは、高密度の都市人口に対応し、サイバージャヤシティセンター(CCC)プロジェクトとサイバージャヤノースマスタープランで推進されているスマートシティソリューションが組み込まれます。 ハイテク企業、ビジネス、住宅開発および商業開発の成長に加え、クアラルンプールシティセンターおよびクアラルンプール国際空港(KLIA)への統合された接続と相まって、活気に満ちた交通指向開発(TOD)エリアになります。西エリア(ウェストゾーン)
ウェストゾーンでは、技術ベースの研究に支えられて、学界とワーキングコミュニティの融合される機会が用意されています。そのために必要な設備を提供し、イノベーター、教育者、研究者をインタラクティブな環境に集めて革新をもたらす取り組みを促進しています。 このゾーンには現在、大学、カレッジ、学校があり、才能を育むハブになるだけではなく、産学連携の可能性を提供しています。サイバージャヤ(Cyberjaya)が注力している3つのクラスタ
サイバージャヤはテクノロジーの進歩に合わせて、常に最先端の技術導入を目指しています。2020年、サイバージャヤがテクノロジーとして注力している分野は主に「スマートモビリティ」、「スマートヘルスケア」、「デジタルクリエイティブ」の3つのエリアです。スマートモビリティ
サイバージャヤは、環境を保護しながら、よりスマートで持続可能な移動手段を開発することにより、モビリティに革命を起こすことを目指しています。 スマートモビリティは、Cyberjayaのようなハイテク都市を形作る原動力であり、サービスとしてのモビリティ(MaaS)、自律&電気自動車(AV&EV)、高度道路交通システム(ITS)、無人偵察機などのイノベーションを通じて実現されています。スマートヘルスケア
現代のテクノロジーは、私たちの健康と生活の質を向上させる能力をもたらしています。 サイバージャヤでは、人材、テクノロジー、医療業界の融合により、より効率的でアクセスしやすく、利便性の高いヘルスケアエコシステムを設計しています。 遠隔医療、医学研究開発(R&D)、およびモノのインターネット(IoT)を介した医療施設を通じて、予防およびリハビリ医療に焦点を当てて発展しています。デジタルクリエイティブ
サイバージャヤは、創造性とデジタルのエキサイティングな世界を融合させ、最先端のコンテンツを創造しています。 創造的なエコシステムは、インフラストラクチャと幅広い熟練した才能によってサポートされており、2Dおよび3Dアニメーション、デジタルメディア、バーチャルリアリティ、eスポーツ、5Gラボサービスなどの幅広いテクノロジーの開発を可能にしています。サイバージャヤが街全体を使って推進するリビング・ラボ構想
リビング・ラボ環境を提供するサイバー都市
サイバージャヤは人々が生活するなかでソリューションをパイロットして検証するためリビング・ラボを提供する都市として位置づけられています。つまり、 街全体を使ってIT関連技術を活用して、実際の生活や企業活動に活かすという壮大な計画となっています。サイバージャヤ市は、行政、企業、大学、業界団体などとエコシステムを形成して、市全体の概念実証テストのための機会を提供しています。このようなオープンな取り組みに魅力を感じて、国内海外からサイバージャヤを実証実験(POC)の場として選択するケースが増えています。
シリコンバレーとして成長
もともとマレーシアは他のASEAN諸国と比較して、人口が少なく、国の産業基盤も脆弱でしたので、国全体の産業力を強化する意味でもITを取り込む必要がありました。そこで、元々は広大なパームヤシのプランテーションが行われていた地域をシリコンバレーのような街「サイバージャヤ(Cyberjaya)」に変貌させるという長期的な視点に立って開発がスタートしたのが、1990年代で、正式に街開きの式典が行われたのが1999年7月でした。それから、20年間をかけて、マレーシアのシリコンバレーを目指してきたサイバージャヤには、新興企業から多国籍企業まで、 240社を超える多様なIT関連企業が集積する街に変貌を遂げています。
成長を促すエコシステムが機能
サイバージャヤには、マレーシアの国の関連組織、市や大学、企業や団体など関連する組織が連携して、エコシステムを形成しています。これもサイバージャヤに関する国家施策の一環として長年にわたり取り組まれてきた成果と言えます。人や組織が集まることで、さらに多くの人や組織、投資が集まる好循環を生み出しています。優秀な人材が豊富
もともと若年層が多いマレーシアでは、若い人材が精力的に大学で最新技術を学び、ITの知識をもった人材として社会に出ていきます。マルチメディア大学をはじめ、多くの大学、専門学校から輩出される人材が豊富で、IT人材の厚みを生み出しています。5Gの実証実験
サイバージャヤには優先的に最新技術が検証、導入させる仕組みがあります。次世代通信環境である5Gに関する開発やテストの機会も提供されています。スタートアップが活躍
マレーシアのなかでもスタートアップが集中しているサイバージャヤは、スタートアップを取り巻くエコシステムが充実しています。アクセラレータプログラムや資金調達の機会を提供しています。最先端のインフラ環境
100メガビット/秒以上の高速光ファイバーインターネットが敷設されています。IT企業にとって、通信インフラが整っている環境は魅力的と言えるでしょう。さらに世界的に競争力のある電気通信料金となっています。サイバージャヤの都市開発を推進する「Cyberview Snd Bhd」(サイバービュー)
Cyberview Sdn Bhdとは
Cyberview Sdn Bhdは、1996年の創業以来、経済特区サイバージャヤの総合開発を目的とした企業で、マレーシア財務省(Ministry of Finance Malaysia)が92.24%、マレーシア国営の資産運用機関(Permodalan Nasional Berhad)が2.59%の株式を保有する政府系企業です。新興都市サイバージャヤの地権者として始まり、サイバージャヤの都市開発とともに事業を成長させてきました。現在は、スマートモビリティ、スマートヘルスケア、デジタルクリエイティブに焦点を当て、世界に開かれたグローバルテックハブの開発者としての役割を推進しています。
Cyberview Sdn BhdとBridge International Asia Sdn Bhdがパートナーシップを締結
2020年、Cyberview Sdn BhdとBridge International Asia Sdn Bhdは提携を発表しました。経済特区「サイバージャヤ」をグローバル試験プラットフォームとする、CYBERVIEW社の「リビング・ラボ構想」に基づき、日系のIoT関連企業が、マレーシア国内および近隣ASEAN諸国での商業化に向けた実証実験(PoC)やプロトタイプ検証を行うことをサポートしています。サイバージャヤの企業視察
Bridge International Asiaでは、これまで多くの日本企業のサイバージャヤ視察を成功させてきた実績があります。まずはお問い合わせください。
サイバージャヤの場所(Malaysia Digital Economy Corporation (MDEC)の場所)
関連情報
本記事はBridge International Asia Sdn Bhdがマレーシア現地の取材で得た情報をもとに作成しています。
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