マレーシア市場調査詳細

[これを読めばわかる]マレーシア製薬業界レポートを簡単に解説


マレーシアと医療分野のイメージを結びつけるのは難しかと思います。

しかし、マレーシアは周辺諸国の中では医療が発達しており、インドネシアやタイなどの国外から治療を目的に
マレーシアに滞在する人もいるほどです。 そんな中で製薬業界は今後マレーシア政府が力を入れていく業界として
発表しており、世界中の企業から注目されることが予想されます。


 

 

マレーシア製薬業界概要

製薬業界は政府によって成長と発展を目指される新しい成長分野の一つです。
マレーシアで製造される製品はおおまかに4つに分類されます。

・医療用医薬品(prescription medicines)
・一般用医薬品(OTC products)
・伝統薬(traditional medicines)
・健康食品サプリメント


製薬企業は多国籍外国企業からの業務委託やジェネリック医薬品、伝統薬、ハーブサプリメントの製造に従事しています。
健康省(the Ministry of Health)の薬剤管理局(DCA)によれば、2017年12月現在、DCAによって許可された製造業は251社あり、その中には158社の伝統薬製造会社83社の製薬会社10社の動物実験施設が含まれています。
 

主なマレーシアの製薬企業


・Pharmaniaga Manufacturing Berhad
・Hovid Berhad
・CCM Duopharma Biotech Sdn Bhd
・Kotra Pharma (M) Sdn Bhd

があげられ、これらの企業は抗生物質や鎮痛剤、健康用サプリメント、注射薬等のジェネリック医薬品を中心に製造しています。


 

マレーシアに拠点を置く主要外資製薬会社一覧


Biocon Sdn. Bhd.(インド)
Oncogen Pharma (Malaysia) Sdn. Bhd. Y.S.P. Industries (M) Sdn Bhd (台湾)
Sterling Drug (M) Sdn Bhd (the manufacturing arm of GlaxoSmithKline from UK) Ranbaxy (M) Sdn Bhd (インド)
XepaSoul Pattinson (M) Sdn Bhd (シンガポール)
SM Pharmaceutical Sdn Bhd (インド)


ファイザーや、シェリング・プラウ、ノバルティス、イーライリリー、アストラゼネカといった巨大多国籍企業は
主に輸入業者として許可され、それらの製品は現地株式会社とは区別され取り扱われています。


マレーシアの製薬産業では点眼剤や注射剤、軟ゼラチンカプセル剤といった無菌製剤のほとんどすべての
投薬フォームを生産することができ、2002年1月にはマレーシアは26番目の医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム1(通称ピックスPIC/S)メンバーとして認められています


1:医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム(Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme)。各国の薬事行政当局が集まり、医薬品分野における共通の製造・品質管理基準(GMP)の策定や相互査察の促進を図る、国際的な枠組み。非公式な組織で法的拘束力はない。48か国が加盟。日本は2014年7月に参加。

 

 

バイオ医薬品およびバイオジェネリックへの投資機会


バイオジェネリックにおける今後の成長は多方面から期待されており、投資先としては魅力的です。
加えて、バイオジェネリックがバイオ医薬品に及ぼす影響はジェネリック製品が製薬業界に与えた影響を上回ると
予想されています。現在のバイオ医薬品は従来の医薬品よりもかなり価格が高いことが問題視されています。
一方でマレーシアとしてはそういった課題を解決し医薬品を入手しやすいエコシステムを作るため、
競合可能なコスト選択を実現するための製造拠点としてマレーシアを提案しています。

現在、第一世代のバイオ医薬品の多くはほぼ成熟し主要なバイオ医薬品企業となっており、そういった企業の多くは
マレーシアのような良質な製品価値を提供する国へと拠点を移しています。 現在、マレーシアでは、現地と外国籍企業
の両方がバイオ医薬品の有効成分分析やFDA、EMEA cGMP等のコンプライアンスサービス、モノクロナール抗体、
遺伝子組み換えタンパク質に従事しています。加えて、バイオ医薬品の専門研究や開発、商業化などが進行中です。
政府は、バリューチェーンを高めるためより今後も投資者を推奨していく予定です。

 

製造委託分野への投資機会


現在の主要グローバル製薬企業のトレンドは新薬開発のために費用のかかる遺伝子研究と手間のかかる製造業務を
外部委託することです。 マレーシアの製薬業界は契約ごとにジェネリックや特許製品を製造することでこの発展に
貢献してきました。その結果多くの現地企業は業務委託サービスを提供することに力を注いでいます。

 

ジェネリック薬品や漢方薬への投資機会


外国の製薬会社は特許切れした薬品製造をするためにマレーシアに施設を建設することを検討し始めています。
加えて、漢方薬分野では現地企業や研究機関と協力し新たな医療薬品を製造し始めています。

主要政府機関

 
National Pharmaceutical Regulatory Agency (NPRA)
 

マレーシアにおける製薬製品と伝統薬の取締り管理は健康省のPSD(Pharmaceutical Services Division)の下部機関である NPRA(国立薬品規制機関:National Pharmaceutical Regulatory Agency)によって実行されてます。

NPRAは国内の製薬薬品や伝統薬、化粧品の質、効果、安全性を保障するために取締りをしています。
NPRAは包括的でしっかりと構築された規制システムを持ち、このシステムによって製薬製品や伝統薬の登録や1984年
薬品および化粧品管理規制(the Control of Drug and Cosmetics Regulations 1984)の下で化粧品通知を扱っています。

1985年以来、NPRAは登録及びライセンス事業によって製薬の質、効果、安全性を保障しています。
これらの質は特定のデータや臨床検査の発展によって実現されてきました。また、市場の製品を監視するための
システムも設置されました。

1987年には医薬品安全性監視活動を実行するためthe Adverse Drug Reactions (ADR)監視プログラムがマレーシアで始まり、監視プログラムの下、登録された製品は規制要求に応じていることを確かめるため常に検査されています。
NPRAは2002年1月1日に医薬品査察協定及び委託品査察共同スキーム(PIC/S)の26番目の加盟国として参加しました。
 

Drug Control Authority (DCA)


DCA(薬品管理局:The Drug Control Authority)は1984年薬品及び化粧品規制の下で設立された執行団体です。
マレーシアにおける薬品や伝統薬、健康サプリメント、動物向け薬品、パーソナルケア製品の安全や質、効果などを
保障するための業務を主としています。

 

医薬品登録


DRGD(薬品登録ガイドライン書:the Drug Registration Guidance Document)に書かれているガイドラインは
薬品販売法(the Sale of Drugs Act 1952)と薬品および化粧品管理規制(the Control of Drugs and Cosmetics
Regulations 1984)の法的要求に従って作成されています。

その他の関連する規制の法的要求が含まれているにもかかわらず、出願者は製品が下記の規制要求に沿っていること
に責任を負わなければなりません。

• Dangerous Drugs Act 1952;
• Poisons Act 1952;
• Medicine (Advertisement & Sale) Act 1956;
• Patent Act 1983; and
• any other relevant Acts



薬品および化粧品管理規制(the Control of Drugs and Cosmetics Regulations 1984)の製品定義では、
単位容量内もしくはそれ以外の「薬品」と定義されています。というのも、医療目的で人間や動物に1回以上使用され
ることが前提に使用されているからです。一方1952年薬品販売法(the Sale of Drugs Act 1952)のでは「薬品」は
人間や動物に使用される、もしくは、使用される可能性のある物で、加えて社内外問わず、いかなる成分や製品、記事
も含まれるとしています。

 

まとめ

マレーシアの製薬業界では、主に海外の製薬会社からの委託業務を中心に行っています。特に遺伝子研究と製造業務に注力していると言っていいでしょう。今後も莫大な予算が必要な新薬開発というよりは海外から委託業務に注力し、国内の製薬業界を発展させていくのではないでしょうか。

また糖尿病やがん治療の分野で発展が期待されているバイオ医薬品の領域は、現在どんどん新薬が世界中で
発表されています。以前の医薬品と比べて、高分子構造のバイオ医薬品の製造過程では高い技術力が必要です。

コスト面からも今後マレーシアへ委託されるであろうバイオ医薬品は、マレーシアの製薬製造のレベルを上げる
可能性がある一方、その製造過程の難しさから明暗がわかれる製品だと思います。今後の結果に注目です。




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