[これを読めばわかる]マレーシアの医療機器業界を簡単に解説
マレーシア政府にとって医療分野の発展は優先事項の一つです。
それに伴い医療機器分野への期待は大きく、今後より成長を加速させていくことが予想されます。
マレーシアにおける医療機器業界の概要
11MP(The 11th Malaysia Plan)において、医療機器の分野は今後さらに成長していく産業領域の分野として提唱さ
れました。マレーシアにおける医療機器産業は検査用手袋やインプラント機器、整形外科用や透析機器といった医療や
口腔外科、光学分野、一般診療の目的で使われ、幅広い領域の製品や機器を扱っています。加えて、マレーシアはカテ
ーテルにおいては世界80%のシェアを誇り、手術用、検査用ゴム手袋においては60%のシェアを占める世界屈指の医療製品の生産輸出国でもあります。
マレーシアは太平洋地域における医療機器製造業のハブとしての機能を持ち、200以上の医療機器製造業者とともに産
業コミュニティを発展させてきました。これらは、資本と技術を集約させ、70,000人以上の雇用創出に貢献しています。
医療機器製造産業がより競争的になり、イノベーションが加速するにつれて、製造業はより拡大し、試作品やデザイン
を研究開発するとともに、より価値のある製品を製造し続けています。そうした高度な技術は新しい材料やコーティン
グ技術の改良によってIndustry4.0が目指す製造業のスマートファクトリー化や処理技術の向上へとつながっていくでしょう。
滅菌サービス業や無菌医療加工、精密工学、工具や金型製作、製品の組立、機械製造、電子工学製造業、大学、
研究および研修機関といった施設を支える医療機器は業務委託先として、またASEANにおける医療機器製造の
ハブ地域としてマレーシアは位置しています。そんなマレーシアはASEAN内において14億ドルにも市場規模を
有する最も巨大な医療機器マーケットでもあります。
マレーシアに拠点を置く主要外国籍企業一覧
ヨーロッパ | Ambu |
B. Braun | |
SteriPack | |
アジア | Medipro |
Meditop | |
Sagami | |
Hoya Lens | |
オーストラリア | Ansell |
Resmed | |
アメリカ | Ciba Vision |
Boston Scientific | |
CR Bard | |
Tecomet | |
Haemonetics | |
St.Jude Medical (Abbott) | |
Lake Region | |
Mediquip | |
Teleflex |
マレーシアの現地企業一覧
Top Glove Corporation Bhd |
Hartalega Sdn Bhd |
Supermax Corporation Berhad |
Muzamal Industry Sdn Bhd |
LKL Advance Metaltech Sdn Bhd |
Vigilenz Medical Devices Sdn Bhd |
OSA Technology |
Granulab (M) Sdn Bhd |
Straits Orthopaedics (Mfg) Sdn Bhd |
ABio Orthopaedics Sdn Bhd |
Ideal Healthcare Sdn Bhd |
Allen Healthcare Products (M) Sdn Bhd |
Epsilon Medical Devices Sdn Bhd |
Kossan Latex Industries (M) Sdn |
なぜマレーシアなのか
1, 政府方針
・経済活動重視の政策
・即座に対応する政府
・自由な投資制度
・魅力的な税および優遇措置
・自由な管理レジーム
・知的財産の保護
2,ビジネス環境
・市場志向経済
・ラブアン国際金融取引所を含める発達した金融・銀行部門
・ビジネスシーンにおける英語使用者の多さ
・イギリス式の法律・会計実務
・国際的なビジネスと結びついた長い歴史を持つ巨大な現地コミュニティ
・すべてのビジネスセクターを含む巨大な外国企業コミュニティ
・広範囲に渡る貿易網
3,高度な教育人材
・才能ある、若く、高度な教育を受けた生産性の高い労働力
・英語を含めた多言語話者が豊富 ・高度技術支援を含めた職業訓練の総合システム
・企業間の協力体制によって最小限の貿易摩擦の実現
4,クオリティ・オブ・ライフ
・温かく友好的なマレーシア人
・安全で快適な生活環境
・整った住宅設備と医療施設
・インターナショナルスクールを含む充実した教育機関
・ワールドクラスのレクリエーション・スポーツ施設
・世界中の商品が並ぶ商業施設
5,発達したインフラ設備
・管理の行き届いた高速道路と鉄道ネットワーク
・整備された港と空港
・高品質の電子通信ネットワークとサービス
・自由産業区域やテクノロジーパーク、MSCマレーシア等の発展した工業区域
・MSCマレーシア・サイバーシティやサイバーセンター
医療製品の製造を支えるインフラ
マレーシアに拠点を置く製造業者にとっての利点は、インフラを発展させるために国家主体で持続的にインフラを整備
してきたということです。総合ロジスティクスは世界クラスの空港、港、洗練された通信ネットワークを含むインフラ
を拡大することでマレーシアの医療機器製品を時間通りアジアや世界中に届けることを確実にしてきました。
マレーシアにおける産業は200以上の工業団地と13の自由工業地帯(FIZs)を中心に位置しています。自由工業地帯は
医療機器産業のような輸出志向型産業のニーズを満たすために発展した輸出加工区です。自由工業地帯でない区域で
は、企業はLMWs(Licensed Manufacturing Warehouses)という倉庫を設置できます。 マレーシアは技術集約型や
研究集約型のある特定の産業のニーズを満たすため専門分野に特化した区域が発展してきました。それらの区域では特
定の機能を持ち最先端の建物とハイテク区域を兼ね備えています。
医療機器法
2012年医療機器法(the Medical Device Act 2012)の実施に伴い、マレーシアで製造、および輸入、販売されるすべ
ての医療機器はマレーシア健康省の下部組織である医療機器局(MDA:the Medical Device Authority)に登録しなけ
ればならなくなりました。
2012年医療機器規則は患者とその他の顧客を低基準や未登録の医療機器から守ることを目的にしています。
すべての医療機器は本来の目的やリスク管理技術の有効性によっては、ある一定のレベルのリスクを引き起こす可能性があります。
下記の表は一連の規則に基づいて、医療機器は4つのリスクに分類されました。一般的に、低リスク機器は体の外部を施術する機器である一方、高リスク機器は体内を施術するために使われ、高エネルギーの使用や、生命維持に使用されます。下記のように、医療機器は使用目的とリスクからABCD4つに分類されています。
CLASS | リスクレベル | 医療機器例 |
A | 低 | 簡易手術道具、舌圧子、体温計、検査用ライト、創傷被覆材、酸素マスク、聴診器 |
B | ↑ | 皮下注射、 吸引装置 |
C | ↓ | 肺換気装置、 整形外科用インプラント、除細動器 |
D | 高 | ペースメーカー、インプラント用除細動器、心臓弁、人工血管、ステント |
まとめ
製造業の発展に力を入れているマレーシアでは、医療機器分野でも同様に発展分野として注力していくことが予想され
ます。世界中の主要企業がマレーシアに拠点を置き、特にカテーテルや手術用、検査用ゴム手袋といったゴム製品の分
野では今後も継続した経済発展への貢献が期待されます。
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