[マレーシア株教室①]投資したいおすすめマレーシア株~発行済株式数ランキングTop10 ~
発行済み株式数とは
発行済み株式とは企業がすでに発行した株式のことです。
どれだけの株を発行するかは企業が決められ、発行する株数が増加すると1株あたりの価格を下落させます。
逆に発行する株式を減らせば1株当たりの価格は高くなります。
今の説明がよくわからないかった人のためにケーキを使って簡単に説明したいと思います。
会社全体で発行している株をホールケーキとしてイメージしてください。
このケーキを何等分にするかは上記でも明記したように「会社ごとに決める」ことができます。
つまり、株をどのくらいに発行するかは会社によります。
このケーキは会社ごとに大きさが違います。
しかし、小さく切り分けることで1株あたりの価格を下げることができます。
逆に、大きく切り分ければ、1株当りの価格は大きくなります。
発行済み株式数が多い会社では、ケーキ1切れが小さいため、小さな一切れを持っていたところで
全体に与える影響は小さいです。つまり1株あたりの株主としての価値が下がります。
一方で、発行済み株式数が小さい会社では、ケーキ1切れが大きいため、全体に与える影響は大きくなります。
これを株購入に置き換えると、発行済み株式数が多いと値動きが比較的ゆるやかになり
発行済み株式数が少ないと値動きが大きくなる傾向があります。
ここまで全体像を把握できたら、今度は簡単な株の値段が発行部数によってなぜ株価の上がり下がりする
のか数字を使って説明していきます。
①株数の増加
発行済株式総数100株、当期純利益100円。このとき、1株当り利益は1円
株式を10株増やした。
これによって、流通している株式数が100株から110株に増加する。
1株当りの利益は、100円÷110株 = 0.90円になる。
株を新しく発行することにより、株主1人当りの取り分が減少した。
→株価を下落させる
②株数の減少(自社株買い)
発行済株式総数100株、当期純利益100円。
このとき、1株当り利益は1円。
自己株式を10株取得した。
これによって、流通している株式数が100株から90株に減少する。
1株当り利益は、 100円 ÷ 90株 = 1.11円 になる。
自己株式の取得により、株主1人当りの取り分が増加した。
→株価を上昇させる
ここまで株式発行数についてご理解できましたでしょうか。
株購入時のポイント
株式発行数が多い会社を買う時のポイントとして株の値幅が変わってきます。
発行数が多い会社ほど株の値幅が小さい傾向があり、安定した株価なのが特徴です。
中・長期保有目的の投資家にとっては安定して購入できる銘柄の1つの指標としてみてはいかがでしょうか。
それではこれらを踏まえてマレーシアの発行済み株式数ランキングを発表していきます。
※時価および発行済み株式数は2019年8月24日時点で計算
※マレーシア証券取引所上場企業のKLCIインデックスを元にランキングを構成しています。
発行済株式数ランキングTop10
第10位 RHB Bank Berhad (金融)
発行部数:881,200
RHB銀行はマレーシアで4番目に大きな総合金融グループです。
現在、マレーシア、シンガポール、インドネシア、タイ、ブルネイ、カンボジア、ミャンマー、香港、
ベトナム、ラオスの10か国に進出を果たしいます。マレーシアには、196の通常支店と14のイスラム支店の
合計210店を構えている。また、国外には19の支店を構えている。また、グループ全体の資産から見ると、
マレーシアで最大の投資銀行になっている。
第9位 KLCC Real Estate Investment Trust Berhad(不動産)
発行部数:1,280,600
KLCC不動産(KLCCP)は2004年に設立され、2013年にKLCC不動産はKLCCP Stapled Groupと再編統合し、
KLCC Property Holdings Bhd.& KLCC Real Estate Investment Trustとなりました。すでに発行されていた
KLCC不動産の株式はStapled Groupが所有する株と共にKLCC Real Estate Investment Trust (KLCC REIT)
としてマレーシア証券取引所で扱われることになりました。主にオフィスビル、ショッピング・モール等の
商業用不動産を扱っています。
第8位 CIMB Group Holdings Berhad (金融)
発行部数:1,304,800
CIMBグループはメイバンクに次ぐマレーシアの大手金融グループ。
クアラルンプールに本部を置き、銀行業務、投資銀行業務、証券業務と幅広い金融サービスを手がけていま
す。ASEAN’s leading universal bankというスローガンをかかえ、マレーシアのみならずインドネシアや
タイ、カンボジア、ベトナム、フィリピンなどアジア主要国において事業を展開しています。特に海外では
インドネシアで広くCIMBブランドは普及しているほか、ベトナムとフィリピンではアプリを使った来店不要
の新しいデジタルバンクを展開しています。
第7位 Genting Berhad (複合企業)
発行部数:1,349,300
1965年に林梧桐が設立したゲンティン社(Genting Berhad)を実質的な親会社とする企業グループ。
カジノ、テーマパーク、ホテル、クルーズラインなどエンターテイメント及びホスピタリティが主事業。
グループ会社にはゲンティン・シンガポール(Genting Singapore PLC)、ゲンティン・マレーシア
(Genting Malaysia Berhad)、ゲンティン・香港(Genting Hong Kong Limited)、
ゲンティン・プランテーション(Genting Plantations Berhad)やキェン・ファット・リアルティ
(Kien Huat Realty)を経営している。
第6位MISC Berhad (運輸)
発行部数:1,424,600
MISC はマレーシア国際海運業会社として1968年設立されました。主要株主は国営石油複合企業である
ペトロナスです。主な事業は船舶所有、運行管理、その他の海運業に関連する事業を行っています。
その他に、海上施設を持ち、海上での修理・改造、エンジニアリングや建設等の事業を行うなど、
海運業だけに留まることなく幅広く事業展開しています。
第5位 Telekom Malaysia Berhad (通信)
発行部数:2,136,100
テレコムはマレーシアを代表する通信サービスを提供している会社です。設立当初は国営企業として
固定電話やラジオ、テレビ等の通信サービスを取り扱っていました。現在は株式公開企業として、マレーシア
の証券取引所に上場しています。テレコムはグローバルに拡大する通信環境や、ネットワークインフラ、
集約された専門性をより成長させていくことで、東南アジアのインターンネットハブやデジタルゲートウェイ
としてマレーシアの発展に貢献しています。テレコムはすべてのマレーシアの人々により良いデジタルライフ
を提供するために、新世代のコミュニケーション提供者へと変化しています。
第4位 Malayan Banking Berhad (金融)
発行部数:2,987,600
Malayan Banking Bhd (Maybank)は17ヵ国に拠点を持ち、1,750を超える支店を有するマレーシアの
トップ金融サービス提供者です。現在では、42,000人以上の従業員を有し、1800万人もの顧客にサービスを
提供しています。マレーシア国内では最も有名な金融企業として知られ、ASEANの中でもトップ5に入る
優良企業です。
第3位 Petronas Chemicals Group Berhad (石油化学)
発行部数:5,157,500
ペトロナス化学はマレーシアのリーディングカンパニーであるだけでなく、東南アジアの中でも最も巨大な
企業の1つとして認識されている企業です。ペトロナス化学はオリフィン¹やポリマー²、農薬、メタノール
など様々な化学製品の製造、マーケティング、販売に至るまで一貫して行っています。
ペトロナス化学はマレーシアの豊富な石油資源の価値を最大化するためにペトロナスグループの子会社として
設立され、25年に渡り化学産業分野でトップを走り続けています。収益は年々増加を記録しており、
今後も成長していくことが期待できる企業です。
※1:自動車をはじめ、種々の塗料やプラスチックスの原材料として使われている炭化水素化合物
※2:プラスチックや合成繊維となる高分子量化合物
第2位 Genting Malaysia Berhad (不動産)
発行部数:6,406,100
ゲンティン・グループが49.3%株を保有する企業。もともとResorts World Sdn Bhdとして株式非公開企業
として設立されたが、のちに公開企業となったためResorts World Bhdと名前の変更を行った。
2009年にはゲンティングループとリゾートワールドが再編を行い、テーマパークやホテル事業などを譲渡
された。それ以降社名をGenting Malaysiaに変更し、マレーシア、イギリス、アメリカにある約40のカジノ
やホテル・テーマパークを運営している。
第1位 Public Bank Berhad (金融)
発行部数:7,543,300
パブリックバンクは1966年に設立されたマレーシアの主要銀行の一つです。
資本規模はマレーシア国内で5位、銀行としてはメイバンク、CIMBに次いで業界3位。
1000万人の顧客を有し、東南アジアを中心に金融業を展開。従業員数は海外5カ国を含めて約18000人を
有しています。
まとめ
1位はゲンティン・マレーシアと100万株の差をつけてパブリックバンクでした。
年々総合的に株主への配当金額は増えていますが、 1株あたりの配当利回りはそんなに良いとは言えません。
つまりケーキの大きさが大きくなっているのに ケーキを細かく切りすぎて1切れあたりの大きさが変わらない
のが問題です。
ゲンティン・マレーシアも3位と100万株の差をつけて第2位でした。 ゲンティン・マレーシアの配当利回りは
年々増加しており、現在は3%台になっています。 マレーシアで唯一カジノを経営する企業なので、安定性も
あり今後の成長も期待できる企業です。
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