1リンギットの会社から数万人規模の会社へ!エアアジア編:知っておきたいマレーシアリーディングカンパニ
ビジネスをする上で欠かせない企業分析。マレーシアで成功する企業はどんな特徴があるのでしょうか。この記事ではマレーシアのみならず東南アジアで大きな存在感をもつ格安航空企業「エアアジア(AirAsia)」とその創業者について詳しく説明いたします。
企業概要
エアアジア(AirAsia)は、2001年にマレーシアで設立された低コストキャリア(LCC)です。エアアジアは、東南アジアを中心に100以上の都市を運行し、低価格な航空券、シンプルなサービス、ウェブベースの予約システムを通じて多くの人々に空の旅行を提供することを目的としています。
費用対効果の高いフライトを求める多くの顧客に人気のあるブランドであるエアアジアは、地域内外から高い評価を受けています。エアアジアは、長期的なビジョンと戦略に基づいて成長を続けており、顧客サービスと操縦技術を向上させることで高品質なフライト体験を提供しています。
1リンギットの会社を数万人規模の会社へ!エアアジアとトニー・フェルナンデス
エアアジアの創業者トニ―・フェルナンデス(Tony Fernandes)は航空業界の価格破綻を引き起こした革命児として知られています。現在は約33000人程度を抱える大企業のオーナーですが、その道のりはエアアジア創業時から厳しいものでした。
経営破綻した航空会社を1リンギットで買収した3日後に9.11が起こったのです。これにより航空機の利用を恐れる人々もいましたが、コストカットに重きを置き格安運賃での飛行を実現させた結果、マレーシア航空の牙城を崩し2003年には黒字化に成功しています。そして今ではマレーシア航空を経営破綻の危機に追い込む程成長しています。
そんなエアアジアの創業者トニー・フェルナンデスは従業員の立場となって共に現場で現場で働く"walk around"スタイルで仕事をしています。実際に現場で働くことにより、毎回多くの学びがあると彼は言っています。
例えば彼は荷物を移動するためのベルトローダーの導入を一度拒否しました。これは多額のコストがかかることが原因です。しかし彼がその現場で働いた結果、導入の必要性を感じ実際にベルトローダーを導入しました。
このように彼が家族だという従業員と共に働くことに時間をかけ、そこで得たことをもとにして経営をしたことはエアアジア躍進の理由の一つでしょう。
コロナ禍そして今後の取り組み
コロナ禍で多くの企業が打撃を受けましたが、その中でも航空業界の被害は特に大きなものでした。国境は閉鎖され外出も制限されているため飛行機を飛ばすことができず、エアアジアもリース代や人件費により苦しんでいました。
そんな中エアアジアは、既存のアプリを発展させ「スーパーアプリ」をリリースし、「総合的ライフスタイルプラットフォーム」の構築をめざすという新戦略を発表しました。航空券予約などの従来の機能に加えてタクシー機能やフードデリバリー機能、そして決済機能などを追加し、生活に必要な機能が何でもそろっている「スーパーアプリ」の運営でビジネスチャンスの拡大を狙っています。
またエアアジアはグループ会社の名前をキャピタルA(Capital A Berhad.)に変更しました。
エアアジアの強み
- 広い経済的な航網:エアアジアはアジア太平洋地域をカバーする広い航網を持っています。乗り継ぎを利用すれば22ヶ国・250都市に渡航することができます
- 安価な運賃:エアアジアの安価な価格は顧客に魅力的な選択肢となっています。機内食や受託手荷物の料金がフライト費用に含まれないことやオンライン予約制度や運賃の払い戻し不可制度などによって低価格を実現しています。
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優れたカスタマーサポート:エアアジアは顧客満足度向上のためにフレンドリーで柔軟なカスタマーサポートを提供します。
- 高い安全性:エアアジアは、安全性に優れた航空会社として評価されており、創業以来死亡事故が発生したのは1回のみです。
エアアジアの弱み
- 遅延やキャンセル:エアアジアは、天候や技術的な問題などにより、遅延やキャンセルが発生することがあります。2020年1-3月の遅延率は10.42%で欠航率は1.55%でした。
出展 国土交通省 (mlit.go.jp)
- 座席の設備の不足:エアアジアの座席は比較的狭く、人によっては長距離フライト時に不満が生まれる可能性があります。また、設備は最低限なので不便なこともあります。
- 航空券のポリシー:エアアジアは基本的にキャンセル時の払い戻しができません。また日程変更時にもお金がかかるのも顧客にとってはマイナスなポイントです。
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航空機の老朽化:エアアジアの一部の航空機は古くなっているため、顧客に快適なフライト体験を提供することが困難な場合があります。
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