マレーシア時価総額1位!Maybank編:知っておきたいマレーシアリーディングカンパニー
マレーシア時価総額1位!Maybank編:知っておきたいマレーシアリーディングカンパニー
ビジネスをする上で欠かせない企業分析。マレーシアで成功する企業はどんな特徴があるのでしょうか。この記事ではマレーシア時価総額ランキング1位の巨大銀行Maybankについて詳しく説明します。企業概要
Maybankは、マレーシア国内で最大規模の銀行です。1965年に設立され、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、タイなど20ヶ国に2600以上の支店を持っています。預金、貸付、投資、保険、移民サービスなどを提供しており、消費者、中小企業、大企業向けにサービスを提供しています。また、Maybankは投資、資産管理、グローバル銀行サービスなどの分野でも評判が良いです。顧客のニーズに応じて個別ソリューションを提供することを重視しています。
さらに、MaybankはCSR(企業社会責任)にも積極的に取り組んでいます。地域社会の貧困問題や教育、環境保護などの支援を通じて、社会に貢献することを目標としています。具体的には、植林活動や学生の奨学金支援などを行っています。また、2022年は約5.4億リンギット(約164億円)をハイブリッド・電気自動車の購入支援に使用しました。
2022年は女性の従業員率が56.1%で管理職割合が31%であり、女性にとって働きやすい職場であるといえます。
Matbankの歴史・今後
1960年代:初のマレーシア資本の銀行として設立される。シンガポールとブルネイにも進出。
1970年代:コーポレートファイナンスや投資バンキングなどの新しいバンキング領域に進出しました。
保険や資産管理などの他の金融サービスの分野にも拡大。
1980年代 :クレジットカード提供の開始。
イスラム銀行サービス開始。
2010年代:ASEAN地域以外にも、インド、中国、オーストラリアなどの新たな市場への進出を図る。
デジタル銀行や移動決済などのサービスを提供するようになる。
そして現在に至るまで、MaybankはASEAN地域を中心に、グローバルな金融サービスプロバイダーとしての地位を確立しています。
また、MaybankはM25という2025年までのプランを発表しています。M25はデジタル化、新しいバリュードライバー、そしてサステナビリティを推し進め、顧客に最高の体験を提供するとともに地域のSDGsリーダーになることを目標にしています。またそれにより、持続可能な利益率のよい事業を行っていくことを目指しています。
Maybankの特徴・イスラム金融について
イスラム金融はイスラム法に則った金融取引の総称です。詳しくは以下のサイトをご覧ください。[マレーシア市場調査]マレーシアとイスラム金融 | マレーシア ビジネス交流サイト『CONNECTION』
Maybankの強み
広い経済圏:Maybankはアジア太平洋地域に多数の支店を持っており、幅広い顧客層を抱えています。その数は実に2000万人以上です。このことから、地域の活発な企業や投資家とのつながりがあり、ビジネスチャンスを得やすい環境が整っています。ブランド力:Maybankは前述の通り20の国で展開され2000万人以上の顧客を抱えています。信頼がとても重要な銀行にとってこの規模・顧客数は大きな強みとなります。
品質の高いサービス:Maybankは顧客のニーズに応じた品質の高いサービスを提供することを目標としています。専門的な知識や技術を持ったスタッフ、迅速な対応、顧客サポートなどを通じて、顧客満足度の向上に努めています。その結果収益性が高く、ROE(株主資本利益率)・ROA(総資産利益率)が他のマレーシアの銀行と比べ高いです。
(注)ROAとは、自己資本と他人資産(借入金や社債など)を含めたすべての資本を、その会社でいかに効率的に運用できているかを表す指標です。ROEとは、株主資本(=自己資本)(注)に対してどれだけ効率的に利益を上げているかを示す、企業の収益性を測る指標です。
安全な財務管理:Maybankは財務管理に非常に細心の注意を払っています。銀行規制や法令に従った厳格な経営体制、リスクマネジメントなどを通じて、顧客の財産を安全に管理することができます。
技術革新:Maybankは技術革新に積極的に取り組んでいます。デジタル銀行サービス、モバイルアプリ、AIなどを採用し、顧客のニーズに応じたサービスを提供することができます。モバイルアプリはよく使われていて、日本のpaypayのように使われています。
Maybankの懸念点
収益の偏り:Maybankは、イスラム銀行とリテールバンキングの2つの主要事業から収益を上げています。その他のサービスや製品はそれほど儲かっていません。巨大な競合:Maybankにマレーシア時価総額Top10にランクインするPublic bank・CIMB bankを初めとした巨大な競合がいることは懸念点の一つです。
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