e-ConomySEA 2024 レポート: マレーシアのデジタル経済は2024年に310億米ドルに
マレーシアのデジタル経済は、2024年に総商品取引額(GMV)が310億米ドル(1384.8億リンギット)に達し、2023年から16%の成長を遂げる見込みです。これは、Google、テマセク、ベイン&カンパニーによる最新の「e-Conomy SEA 2024」レポートで明らかになりました。
デジタル分野全体での成長の傾向
マレーシアのデジタル経済は、二桁のGMV成長を維持しながら収益性への進展を続けています。この成長の主な要因として、デジタル分野への深い関与、効果的な収益化戦略、そしてパンデミックの影響を受けたセクターの回復が挙げられています。
Eコマース(電子商取引)
Eコマースは引き続きマレーシアのデジタル経済の最大の貢献分野であり、2024年にはGMVが17%増加して160億米ドル(710億リンギット)に達する見込みです。この成長は、大手プラットフォームによる再投資や動画コマースの増加傾向によるものとされています。
オンライントラベル
オンライントラベルはセクターの中で最速のGMV成長を記録し、前年比19%増の80億米ドルのGMVに達しました。マレーシアの国際観光の力強い回復は、2024年にはパンデミック前の水準を超えると予測されています。海外旅行への支出は2020年以降330%増加しており、アジア太平洋地域が海外支出の38%を占めています。また、東南アジア(SEA)からの訪問者は、マレーシアのインバウンド旅行支出のほぼ半分(49%)を占めており、これは航空接続の強化、戦略的な航空会社パートナーシップ、そして有利な為替レートによるものです。
フードデリバリーと交通分野
これらのセクターは2023年のGMV36.6億米ドルから2024年には40億米ドルへと10%成長しました。この成長は、通勤需要や国際旅行の回復によって支えられています。フードデリバリープラットフォームは、段階的な配達オプションやサブスクリプションプランを通じて収益性を向上させています。一方、ライドシェア市場では新規参入者の登場やサービスの拡大により競争が激化しています。
オンラインメディア
マレーシアのオンラインメディアは一貫して成長を続けており、2023年のGMV35億米ドルから2024年には38.5億米ドルへと10%の増加が見込まれています。この成長は、デジタルコンテンツ、ゲーム、ストリーミングサービスの人気拡大によるものです。
デジタル金融サービス(DFS)
マレーシアのデジタル金融サービスは着実に成長を続けており、複数のデジタルバンクが魅力的な機能とアクセスの容易さを提供することでDFS市場の急速な成長に貢献しています。デジタル決済は2023年から5%増加し、2024年にはGMV1720億米ドルに達すると予想されています。また、デジタル資産運用(デジタルウェルス)は大幅に拡大し、2030年までに約800億米ドルの運用資産(AUM)に達すると見込まれています。
マレーシア、AIの機会を活用
人工知能(AI)はマレーシアのデジタル経済を再構築しています。政府は、「マレーシアAIロードマップ2021-2025」を通じて責任あるAI開発に取り組むことを約束し、間もなく「国家AIオフィス(NAIO)」を設立する予定です。これらの取り組みは、マレーシアのデジタル経済変革を支えています。
レポートによると、マレーシアはAI関連の検索関心度において世界トップ10の国の1つにランクインしており、特に教育、マーケティング、ゲーム分野で高い関心が示されています。また、クアラルンプール、プトラジャヤ、セランゴールがこの動向を牽引しています。
「e-Conomy SEA 2024」レポートはこちらからダウンロードできます。