和食惣菜のクアラルンプールでの市場動向
惣菜コーナーで手軽に和食を
日本食レストランの一般化にともない、日本らしい調味料である醤油や味噌、ダシに対する知名度も上がりつつあります。ただ多くの人がこれらに接する機会があるのは日本食レストランにおけるうどんやそばのダシ、天つゆ、味噌汁にとどまっており、煮浸しのような惣菜を出すレストランもほとんどなく、そうした料理法も知られていません。個人的に日本独自の調味料を購入して再現しようという人は、一部の日本食マニアぐらいにとどまっています。飲食店以外でも日本食の進出は活発です。伊勢丹デパートやイオンなどの日系小売店は食品コーナーに日本を模した「惣菜コーナー」を設けており、寿司、焼鳥、コロッケ、唐揚げ、お好み焼き、丼ものなどが売られています。
伊勢丹KLCC店の惣菜売場です。
クアラルンプールでの和食惣菜の需要
多民族国家であるマレーシアの人口70%を占めるマレー系については、アルコールやブタ由来のものを禁忌とするイスラム教という縛りがあるため、アルコールが含まれる調味料や惣菜は基本的に受け入れられません。仮にアルコールや豚由来の成分を含まなくても、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証を得ないと信用してもらえないため、一般の食料品では置いてもらえず、結果的にマレー系の目にも触れず買ってもらえないということもあります。総人口の1割に満たないインド系の場合は、食べるものほとんどインド料理と言ってもよく、醤油や魚醤などを使った料理はほとんど食べません。様々なスパイスをふんだんに使った料理を好み、さっぱり味は好まない傾向にあります。
したがって、日本食品を消費する人たちは主に中華系が多いので、その層をターゲットにするのであれば、日本の食品会社が輸出を行う際ハラル認証を取得する必要はありません。
クアラルンプールでの和食惣菜の市場動向まとめ
- ・マレーシアで日本食レストランが一般しており、伊勢丹などのスーパーでも和食総菜や弁当が販売されている
- ・家庭で日本の調味料を使って日本食を再現することはまだ一般的ではない。
- ・日本から輸入した冷凍食品もスーパーで売られている。
- ・日本の食品会社がマレーシアの食品市場に参入する際は、豚肉やアルコールなどに規制がない中華系マレーシア人をターゲットにすれば、ハラル認証を取得する必要ない。
本記事は日本からの食品輸出をサポートする、ASIA INFONET (M) SDN BHDの協力を得て作成しています。 主な業務内容
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