コロナ禍のマレーシアの売れ筋食品の傾向は?|日本産食品を扱うスーパーや小売店にインタビューしてみました!
制限が厳しい状況下では、地区を超えての移動が不可となり、飲食店は持ち帰り営業のみ可能、許可を受けた企業のみが稼働でき、該当企業以外は原則在宅勤務での対応となります。
移動制限下での小売店にどのような変化が起こっているのでしょうか。
日本産食品を扱うスーパーマーケット、小売店に取材を行いました。
スーパーマーケットで1回の買い物単価が上昇
日系スーパーマーケット、現地系スーパーマーケット、健康食品店に、コロナ禍前後の市場の変化や今後の展望についてインタビューしました。
●日系スーパーマーケットマネージャーMs.S
外国人観光客の来訪、地区を超えての移動が可能であった2019年と比べて2020年の来店数は50%~70%となっており減少しています。移動制限の緩和されていた時期は来店数がやはり多くなったため、影響は大きいと言えます。クアラルンプール中心地に店舗を構える弊社では、外国人観光客やオフィスワーカーの来店が減少し、現在来店する客層はローカルマレーシア人がほとんどとなっています。来店数は減っていますが、1回あたりの買い物の単価や量が増えています。
●現地系スーパーマーケット担当者Ms.M
来場数は減っているものの、1回当たりの買い物の量や単価は上がっており、1度の来店で大量に購入する傾向です。●健康食品店 担当者Ms. B
顧客はシビアになっており、必需品だけを買う傾向があります。弊社ではe-commerceも対応していますが、ショッピングモールの店舗の売上が落ちているのに対し、e-commerceでの売上は上がっています。保存可能な食品の売上が好調
●日系スーパーマーケットマネージャーMs.S
日本産ラーメン、カレー、電子レンジで調理するお米のパックが人気です。棚からなくなるとお問合せを受けることもあります。●現地系スーパーマーケット担当者Ms.M
オイル、米、サーディンなどの缶詰製品です。担当ではないですが、売り場を見てビールの売上が増えているという感覚もあります。●健康食品店 担当者Ms. B
ドリンク、ビスケットの売上が好調です。家庭でも手軽に調理ができ、保存がきくものに人気が集まっていると言えるでしょう。
コロナ禍でも売上アップが狙える日本産食品とは
●日系スーパーマーケットマネージャーMs.S
2020年12月に日本酒の売上がアップしました。例年なら年末年始を利用して旅行に行く人がロックダウンの影響で渡航ができず、自宅で日本酒を購入して楽しんだと予想されます。旅行の予算を日本産食品の購入にあて、日本酒を購入して家で楽しむ層も存在します。また、他にマレーシアで今後売上アップの狙える品目についても質問しました。
●現地系スーパーマーケット担当者Ms.M
韓国製のインスタントラーメンの売れ行きに比べて日本製の売上はまだ少なく、伸び代を感じます。味は辛いものがマレーシアでは人気です。食べるときの調理が簡単であり、マレーシアのインスタントラーメンのように5袋1パックの形態だと、ローカル客も手に取りやすいと思います。価格も重要なポイントです。まとめ
コロナ禍のマレーシアのスーパーマーケットの様子と、売れている食品の傾向- スーパーマーケットでは、買い物客は一度にまとめて購入する傾向にある
- カレー、ラーメン、缶詰など手軽に調理でき、保存がきく食品の売上が好調
- 年末年始に日本酒の売上が伸びることが予想され、日本産インスタントラーメンは販路開拓の余地がある。
本記事が、マレーシアへの食品事業での海外進出をご検討の方にご参考になれば幸いです。
このレポートは札幌産業振興財団のために作成したものです。
本記事は日本からの食品輸出をサポートする、ASIA INFONET (M) SDN BHDの協力を得て作成しています。 主な業務内容
|
当サイトのコンテンツや記事において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、記載内容について必ずしも正確性を保証するものではありません。無断転載は禁止いたします。
« マレーシアで起業家ビザを取得できる「MTEP」 | マレーシア進出 はじめの一歩ガイドブック2023 ダウンロード »