マレーシアで日本食が人気の理由とは?
マレーシアで日本食が人気の理由とは
マレーシアの街を歩くと、至る所から日本語が目に飛び込んできます。日本食を提供するレストランも多く、場所によっては日本の街を歩いているようです。
マレーシア人に日本食が人気の理由を実際のお店での食事の様子、ローカルマレーシア人への取材や統計も交えながら紹介します。
また、マレーシアでの食文化やマレーシアでの日本産食品の流通状況についても解説いたします。
日本食を受け入れるマレーシアの文化
クアラルンプール市内・郊外では、多くの日系の企業や飲食店が進出しています。 日本食レストラン、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等で日本産食品が流通しています。クアラルンプール首都圏での日本食レストラン数は2020年現在、約1,000店舗あると言われています。マレーシアは多民族国家です。マレー・中国・インド・ヨーロッパの文化が混ざりあっており、英語・マレー語の他に中国語・ヒンディー語も使用されています。
多民族国家のマレーシアでは、外国人居住者が多いことも特徴の一つです。外国人である日本人が街を歩いていても、対応するマレーシア人の人はとてもオープンな接し方をするのが印象的でした。日本食が広まり受け入れられるのは、こういったオープンで異文化を受け入れる風土があるのも理由の一つと言えるでしょう。
マレーシアで日本食を食べる中間所得層とは?
実際にローカルマレーシア人と日本食レストランに行き、一緒に食事をしながら話を聞きました。今回取材を行ったのは、Petaling JayaのオフィスビルAmcorm Mall内にある日本食レストラン梅亭です。
営業のKok とマネージャーのBrianは、ランチでこのお店を利用することがあり、他には家族で日本食レストランに食べに行くこともあるそうです。
「今頼んでいるメニューは何ですか?」
Kok:「鳥カツ丼」Brian: 「うどんセット」
どのくらいに頻度で日本食を食べますか?
Kok:「1~2週間に一回」Brian: 「1ヶ月に1回くらい」
シャロルとウェンディがこのお店に来る頻度は1カ月~2か月に1回ほどだそうです。
シャロル:「他にも友達と寿司を食べに行ったわ。私にとって日本食は高いけど、時々食べにいくよ。」
ウェンディ:「私は会社の人との年始の食事会が日本食だった。年に数回の特別な時に行くこともあるし、友達から誘われて日本食を食べにいくこともあるわ。」
今オーダーしているメニューとその値段は?
ウェンディ:「サーモンバター焼き定食 RM24」シャロル: 「親子丼 RM 10.5」
マレーシア=必ずハラルではない
今回取材したマレーシア人は中華系です。マレーシアは多民族国家なので他にマレー系、インド系などの民族など生活習慣や宗教がそれぞれ異なります。マレー系のほとんどがイスラム教徒のため、豚肉やアルコールは禁止されています。
イスラム教徒はハラル認証のある食品でないと食べることができませんが、中華系は基本的に制限はありません。このためマレーシアにある食品は必ずハラルである必要はなく、中華系をターゲットとした約740万人のマーケットが存在します。
マレーシア人では高級な日本食?
民族ごとの所得を調べると、高い順に中華系、インド系、マレー系となっています。中間所得層のマレーシア人は特に中華系が多く、寿司店や日本式居酒屋などには中華系マレーシア人が多く食事を楽しんでいる姿を見かけます。
中華系マレーシア人のランチのインタビューでは「少し日本食は高い」という意見も出ました。日本食を娯楽として楽しむ中所得層から、高所得層で高級寿司店での食事を楽しむ高所得層まで存在します。
マレーシアへの日本食進出の伸びしろ
2020年先進国入りを目指してきたマレーシアでは、年々、国民総所得(GNI)を伸ばしてきました。また、全国民平均年齢は28.6才(2019年)ですので、クアラルンプールの街は消費が活発な世代で賑わっています。一人当たりの東南アジア諸国で比較すると、中間所得層が多いことが特徴となります。 これから消費が増える20代、30代の層が多いこと、中間所得層がマレーシアには多いことから、日本産食品市場のさらなる伸びは期待できると言えるでしょう。
マレ―シア人に日本食が人気の理由まとめ
今回の記事では以下4点の人気の理由を紹介しました。1.オープンな多民族国家であること
2.ハラルでなくていい層が多く存在すること
3.中間所得層が多いこと
4.国民平均年齢が高く伸びしろがあること
この記事がマレーシアでのビジネスをお考えの方、移住を考えている方の参考になれば幸いです。
本記事は日本からの食品輸出をサポートする、ASIA INFONET (M) SDN BHDの協力を得て作成しています。 主な業務内容
|
当サイトのコンテンツや記事において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、記載内容について必ずしも正確性を保証するものではありません。無断転載は禁止いたします。