マレーシアでの日本産乳製品の輸入規制と市場動向
マレーシアでは日本産乳製品はほとんど流通しておらず、旅行などで日本を訪れる ケースなどを除くと、ほとんどのマレーシアの消費者は実際に日本産乳製品を手にしたことがありません。今後の日本産乳製品の輸出を見据え、日本産乳製品のマレーシアへの輸出の可能性についてまとめました。
【参考】各牛乳・乳製品の小売価格
まず、輸入者が乳製品輸入ライセンスを所持していることが前提とされ、その上でマレーシアのDVS (獣医局)に対して商品の輸入許可及び製造施設登録(日本側)が必要となる。但し、商品の大量消費が見込めない為、新規参入者がいないのが現状です。
牛乳は政府が設定する輸入枠内でのみ承認が下りる仕組みだが、現状はオーストラリア産及びニュージーランド産等で枠が埋まっている事から、実質的に日本産生乳の輸入は出来ていない。一方で、牛乳以外(甘味添加乳飲料、バターミルク、凝固クリーム、発酵乳、ホエイ、バター、チーズを含む)に輸入制限等はないものの、価格及び輸入許可の障壁により殆ど実績はないようだ。なお、催事など単発販売の場合は、比較的簡単な手続きで済むケースが多く、乳製品の販売は可能となっています。
乳製品を含む加工商品等の輸入は可能ですが個々にケースが異なり、適正なバイヤーと個別相談が必要とされる為、バイヤー紹介や商談アレンジについては是非当社へご相談下さい。
本記事がマレーシアへの販路開拓を検討される日本企業の皆様のお役に立てましたら幸いです。
このレポートは、さっぽろ産業振興財団の為に作成したものとなります。
本記事は日本からの食品輸出をサポートする、ASIA INFONET (M) SDN BHDの協力を得て作成しています。 主な業務内容
当サイトのコンテンツや記事において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、記載内容について必ずしも正確性を保証するものではありません。無断転載は禁止いたします。
マレーシアにおける牛乳・乳製品の現状
カテゴリー | 概況 |
牛乳 | 朝食にシリアルを食べる人が増えていることもあり、消費量は増加傾向にある。 "マレーシアで流通している牛乳は、国産品を除いて、ほとんどがオーストラリア産もしくはニュージーランド産であるが、一部アメリカからオーガニック牛乳なども輸入されている。 " 国産ブランドにおいても原料をオーストラリアなどから輸入し製造している。 " 牛乳にはチルド牛乳とLL牛乳の二種類に大別されるが、近年はチルド牛乳が伸長し、LL 牛乳から需要が遷移している。 " その他、マレーシアではフレーバー牛乳(イチゴ味、チョコレート味、蜂蜜味等)も人気となっている。 |
ヨーグルト | 健康志向の高まりから注目度が高まっており、従来の砂糖入りのタイプだけでなくプレーンヨーグルトも人気となっている。 フルーツヨーグルトにおいてもイチゴ、マンゴー、ピーチなどフレーバー展開は豊富。 高級スーパーなどを中心にギリシャヨーグルトが人気で、各社品揃えを強化している。 容量別では、大容量のものよりも、食べきりサイズの需要が高い。 |
チーズ | 食生活の多様化にともない消費は拡大傾向。 近年は外国人や富裕層を中心にナチュラルチーズの人気も高まっている。 高級スーパーではチーズ専用カウンターが設けられている。 |
【参考】各牛乳・乳製品の小売価格
- 牛乳:チルド牛乳で 1ℓ MYR8~10 (約210円~265円)、LL 牛乳で MYR5(約132円) 前後が標準的なものとなっているが、オ ーガニック牛乳は 1ℓ で MYR30(約797円) 以上するなど、高額な商品も存在します。
- ヨーグルト:ヨーグルトは 1 ㎏超サイズが国産ブランド で MYR15(約398円) 前後、海外ブランドでMYR25(約664円) 前後と価格差がある一方で、100g 程度の小容量サイ ズでは国産、輸入ブランドでともMYR3(約79円) 程度で大きな差はありません。
- チーズ:海外ブランドの商品が大半を占めており、ヨーロッパを中心に多くのブランド がマレーシアに輸入されています。販売価格はチーズの種類や形態で異なるものの、スライ スチーズ(チェダー)で 100g 当たりMYR5(約132円) 程度。
モッツァレラチーズにおいては、100g 当たりMYR8(約212円) 前後となっています。
乳製品マーケティング情報
Y社(日系) | P社(現地系) | T社(現地系) | |
ターゲット購買層 | スーパー | スーパー | スーパー |
既存取扱日本産乳製品 | なし | なし | なし |
商談のポイント・重視する点 | 価格、賞味期限 | 価格 | 価格 |
今後取り扱いたい商品 | チーズ | 牛乳、チーズ | バター、チーズ |
日本の乳製品業者への要望 | ハラル認証の取得 パッケージの英語表記 | ハラル認証の取得 | 競争力のある価格の提示 |
マレーシアの輸入卸売業者からのコメント
- ハラル認証は必須ではないが、より多くの購買層を視野に入れる為にもハラル認証があった方が好ましい。
- 日本産乳製品は、品質の良さや安全性の高さといった良いイメージが強くある一方で、価格が高いというマイナスイメージも高い。
また、市場の競争が激しく新規参入が難しい事から、現地でのネットワークやコネクションを最大限に活用し、大々的なプロモーションをする必要がある(1つ購入したら1つ無料等)。 - 海外産の商品の方が賞味期限が長く設定されている(LL牛乳:最長12ヶ月、ヨーグルト:最長10ヶ月、プロセスチーズ:最長18ヶ月)。
マレーシアの乳製品輸入規制
まず、輸入者が乳製品輸入ライセンスを所持していることが前提とされ、その上でマレーシアのDVS (獣医局)に対して商品の輸入許可及び製造施設登録(日本側)が必要となる。但し、商品の大量消費が見込めない為、新規参入者がいないのが現状です。
牛乳は政府が設定する輸入枠内でのみ承認が下りる仕組みだが、現状はオーストラリア産及びニュージーランド産等で枠が埋まっている事から、実質的に日本産生乳の輸入は出来ていない。一方で、牛乳以外(甘味添加乳飲料、バターミルク、凝固クリーム、発酵乳、ホエイ、バター、チーズを含む)に輸入制限等はないものの、価格及び輸入許可の障壁により殆ど実績はないようだ。なお、催事など単発販売の場合は、比較的簡単な手続きで済むケースが多く、乳製品の販売は可能となっています。
乳製品を含む加工商品等の輸入は可能ですが個々にケースが異なり、適正なバイヤーと個別相談が必要とされる為、バイヤー紹介や商談アレンジについては是非当社へご相談下さい。
本記事がマレーシアへの販路開拓を検討される日本企業の皆様のお役に立てましたら幸いです。
このレポートは、さっぽろ産業振興財団の為に作成したものとなります。
本記事は日本からの食品輸出をサポートする、ASIA INFONET (M) SDN BHDの協力を得て作成しています。 主な業務内容
|
当サイトのコンテンツや記事において、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、記載内容について必ずしも正確性を保証するものではありません。無断転載は禁止いたします。
« マレーシアで急成長するベジタリアン・ヴィーガン市場|マレーシアでのベジタリ... | マレーシア経済レビュー 2022年2月~4月 »