マレーシアの保険ってどうなっているの?
マレーシアに渡航・移住する場合、現地でけがや病気になったときのことを心配する人も多いのではないでしょうか。
日本とは異なるマレーシアの保険制度を理解して、万が一高額な医療費がかかってしまった場合にも対処できるようにしておくことが重要です。
マレーシアの保険がどうなっているのか、このページで解説していきます。
日本ではすべての人が公的医療保険に加入することが義務づけられています。
これは、1958年に制定された国民健康保険法に記されています。そして、日本ですべての国民が公的医療保険に加入するこの制度のことを「国民皆保険制度」と呼びます。
マレーシアの医療保険制度は、結論から言うと日本のような公的な医療”保険”制度はありません。ですので、およそマレーシアで医療保険を利用したい場合は、民間の医療保険に加入する必要があります。
そして、マレーシアでの病院にかかった際にかかってくる医療費に関しては、2つ場合分けをして考えるとよいです。
ⅰ)公立の医療機関を受診する場合
ⅱ)民間の医療機関を受診する場合
次の項目では、実際にかかる医療費の自己負担の割合を説明していきます。
公立の医療機関は、いわゆる国公立の病院や政府系の病院のことを指します。これらの病院では受診にかかる費用はとても安価に済みます。
民間の医療機関のマレーシア国内での位置づけとしては、高所得者層や外国人富裕層をターゲットとしています。実際の医療サービスも、公立病院より高度な専門的医療を提供しています。そして、ここが大事なところですが、日本の高水準な医療環境や綺麗な病院の衛生環境に慣れている日本人の場合には、こちらの民間の医療機関を利用することが多いです。
(*1:日本での小学校入学以降69歳までの自己負担額。小学校入学前と 70-74 歳は2割、75歳以上は1割の負担となります。)
マレーシアではこのように日本における国民健康保険がないため、国はかかった医療費を負担してくれません。
日本に住民票のある人がマレーシアで治療を受けた場合、日本へ帰ったあとにお住まいの自治体へ申請をすれば、医療費を負担してもらえる場合があります。「海外療養費」の扱いがどうなっているか、渡航前に自治体へ問い合わせておくことをおすすめします。
以下にマレーシアにおける民間保険がどれだけ種類があるので、その全貌を載せておいたので参考にして下さい。
これまで、医療保険で治療費をカバーすることを前提に話してきましたが、クレジットカードの保険機能や旅行保険という選択肢もあるため、どれを選ぶか悩まれてしまうと思います。
ご自身が以下の3パターンのいずれに当てはまるかで、おすすめの対応というのが異なってきます。
・駐在員の方であれば、会社が契約する保険に加入するのが一般的です。
Tokio Marine Insurans(東京海上)、Medic Plus(メディ プラス)、Premier Medic Partner(プリミア メディ パートナー)、MosBite(モスバイト)などがあります※
・短期間の滞在であれば、クレジットカードの保険機能を利用するのも手です。
・長期滞在なら、日本の旅行保険もしくは現地の保険会社と契約するのがよいです。
(※:参考URL http://tpcl.jp/insurance/casualty/medical_insurance.html )
マレーシアの長期滞在ビザであるMM2Hビザの取得の際には、医療保険への加入が必要です。代理店を通さない個人でのMM2Hビザ申請を検討している方にとって医療保険の選び方が問題になってきます。
その場合でも上記の枠内の選び方、すなわち、短期間の滞在ならクレジットカードの保険機能を、長期滞在なら、日本の旅行保険もしくは現地マレーシアの民間保険会社を利用するのがオススメです。
なぜこのようなタカフルというものを独自の章立てで説明しているかというと、
いわゆる「保険」における次の①②の要素が、イスラム法においてはギャンブルとみなされてしまい認められないからです。
①皆から集めた保険費用の運用によって利子を得ること.(保険運用の根本に相当します)
②いつ起きるか分からない事故や疾病に対してお金を差し出す事.
我々の世界で通常イメージする「保険」は、上記の理由のためイスラム圏では教義に反する要素を含んでしまっています。もっとも、皆での助け合いの仕組みがなかったら病気やケガなど大きなリスクがいざ生じたときに困ってしまいます。そこで、上記①②のような要素を取り除き、教義にフィットする形で資金を集め運用を行う保険ライクな仕組みができました。
それがタカフルです。
多民族国家であるマレーシアの実態としては、いわゆる生命「保険」・医療「保険」を提供する民間企業と、このタカフルを提供する民間企業とが混在しています。
このタカフルと、そのほか生命保険を合わせてみると、ASEAN地域における総じた保険加入率は75%*3(2020年)と年々上昇しています。2019年の日本における生命保険加入率の82%*4に近づいていることが分かります。
(*3: ASEANにおけるヘルスケア制度・政策調査 https://www.jetro.go.jp/ext_images/industry/life_science/healthcare_asean/my.pdf
*4: 生命保険文化センター https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/provision/8.html )
■参考にしたURL
・経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryou/downloadfiles/pdf/macrohealthdate_Malaysia.pdf
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日本とは異なるマレーシアの保険制度を理解して、万が一高額な医療費がかかってしまった場合にも対処できるようにしておくことが重要です。
マレーシアの保険がどうなっているのか、このページで解説していきます。
1.マレーシアの医療制度|日本との違いは?
1-1.保険制度の方式・種類
●日本の場合
日本ではすべての人が公的医療保険に加入することが義務づけられています。
これは、1958年に制定された国民健康保険法に記されています。そして、日本ですべての国民が公的医療保険に加入するこの制度のことを「国民皆保険制度」と呼びます。
●マレーシアの場合
マレーシアの医療保険制度は、結論から言うと日本のような公的な医療”保険”制度はありません。ですので、およそマレーシアで医療保険を利用したい場合は、民間の医療保険に加入する必要があります。
そして、マレーシアでの病院にかかった際にかかってくる医療費に関しては、2つ場合分けをして考えるとよいです。
ⅰ)公立の医療機関を受診する場合
ⅱ)民間の医療機関を受診する場合
次の項目では、実際にかかる医療費の自己負担の割合を説明していきます。
1-2.医療費について
ⅰ)公立の医療機関を受診する場合
公立の医療機関は、いわゆる国公立の病院や政府系の病院のことを指します。これらの病院では受診にかかる費用はとても安価に済みます。
マレーシアには医療に特化した公的な保険こそないですが、その他の社会保障の仕組みによって公立の医療機関には政府からの支援金が降りています。そのため、現地マレーシアの国民が受診する分に関しては治療費の支払い自体は安く抑えることができます。また、マレーシアの公務員や1歳未満の幼児は無料で受診が可能です。
このように公立の医療機関を利用する場合は費用面でのメリットは大きいですが、一方でデメリットも存在します。それは待ち時間の長さです。これに耐えられないという人は次の民間の医療機関を受診することをおすすめします。
ⅱ)民間の医療機関を受診する場合
民間の医療機関のマレーシア国内での位置づけとしては、高所得者層や外国人富裕層をターゲットとしています。実際の医療サービスも、公立病院より高度な専門的医療を提供しています。そして、ここが大事なところですが、日本の高水準な医療環境や綺麗な病院の衛生環境に慣れている日本人の場合には、こちらの民間の医療機関を利用することが多いです。
この民間病院での医療費の自己負担割合は、
10割 となります。
公的な医療保険制度がないと、全額の負担をしないといけないのは大変ですよね。 日本での健康保険が、原則3割負担*1であることに比べると、マレーシアでは約3.3倍もの負担をしいられることになります。(*1:日本での小学校入学以降69歳までの自己負担額。小学校入学前と 70-74 歳は2割、75歳以上は1割の負担となります。)
マレーシアではこのように日本における国民健康保険がないため、国はかかった医療費を負担してくれません。
□[日本に住民票を残した場合の特例]
日本に住民票のある人がマレーシアで治療を受けた場合、日本へ帰ったあとにお住まいの自治体へ申請をすれば、医療費を負担してもらえる場合があります。「海外療養費」の扱いがどうなっているか、渡航前に自治体へ問い合わせておくことをおすすめします。
2.マレーシアでは”民間”医療保険が医療保険の中心となる
以上のようなことから、駐在員の方などマレーシアで長期に生活される人の場合は保険への加入が大切になってきます。●「民間保険」の全貌
これまで民間の”医療”保険という表現を使ってきましたが、これは数多くある「民間保険」の一部です。以下にマレーシアにおける民間保険がどれだけ種類があるので、その全貌を載せておいたので参考にして下さい。
- 生命保険*2
- 医療保険
- 損害保険
- 貯蓄保険
- 教育保険
- 退職保険
- 自動車保険
- 火災保険
- 旅行保険
●マレーシアに行く際は、医療保険や旅行保険、クレジットカードの保険など、一体どれを選べばよいの?
これまで、医療保険で治療費をカバーすることを前提に話してきましたが、クレジットカードの保険機能や旅行保険という選択肢もあるため、どれを選ぶか悩まれてしまうと思います。
ご自身が以下の3パターンのいずれに当てはまるかで、おすすめの対応というのが異なってきます。
・駐在員の方であれば、会社が契約する保険に加入するのが一般的です。
Tokio Marine Insurans(東京海上)、Medic Plus(メディ プラス)、Premier Medic Partner(プリミア メディ パートナー)、MosBite(モスバイト)などがあります※
・短期間の滞在であれば、クレジットカードの保険機能を利用するのも手です。
・長期滞在なら、日本の旅行保険もしくは現地の保険会社と契約するのがよいです。
(※:参考URL http://tpcl.jp/insurance/casualty/medical_insurance.html )
●MM2Hビザの取得の際の医療保険は?
マレーシアの長期滞在ビザであるMM2Hビザの取得の際には、医療保険への加入が必要です。代理店を通さない個人でのMM2Hビザ申請を検討している方にとって医療保険の選び方が問題になってきます。
その場合でも上記の枠内の選び方、すなわち、短期間の滞在ならクレジットカードの保険機能を、長期滞在なら、日本の旅行保険もしくは現地マレーシアの民間保険会社を利用するのがオススメです。
3.独特な保険制度「タカフル」とは
タカフル(Takaful)とは、一言で言うとイスラム法に基づく保険のことです。(タカフルはアラビア語で「相互扶助」という意味合いがあります。まさに保険の仕組みそのものですね。)なぜこのようなタカフルというものを独自の章立てで説明しているかというと、
いわゆる「保険」における次の①②の要素が、イスラム法においてはギャンブルとみなされてしまい認められないからです。
①皆から集めた保険費用の運用によって利子を得ること.(保険運用の根本に相当します)
②いつ起きるか分からない事故や疾病に対してお金を差し出す事.
我々の世界で通常イメージする「保険」は、上記の理由のためイスラム圏では教義に反する要素を含んでしまっています。もっとも、皆での助け合いの仕組みがなかったら病気やケガなど大きなリスクがいざ生じたときに困ってしまいます。そこで、上記①②のような要素を取り除き、教義にフィットする形で資金を集め運用を行う保険ライクな仕組みができました。
それがタカフルです。
多民族国家であるマレーシアの実態としては、いわゆる生命「保険」・医療「保険」を提供する民間企業と、このタカフルを提供する民間企業とが混在しています。
このタカフルと、そのほか生命保険を合わせてみると、ASEAN地域における総じた保険加入率は75%*3(2020年)と年々上昇しています。2019年の日本における生命保険加入率の82%*4に近づいていることが分かります。
(*3: ASEANにおけるヘルスケア制度・政策調査 https://www.jetro.go.jp/ext_images/industry/life_science/healthcare_asean/my.pdf
*4: 生命保険文化センター https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/provision/8.html )
4.まとめ
いかがだったでしょうか。マレーシアの民間病院における比較的高額な医療費事情と複雑な医療保険制度は初めて知る方も多かったと思います。日本で加入する旅行保険と生命保険との補償内容の違いを知って、ご自身の不安なことは何かを考えながら、より自分に合う保険を選びたいですね。■参考にしたURL
・経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryou/downloadfiles/pdf/macrohealthdate_Malaysia.pdf
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