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マハティール首相が発表 マレーシア2030年計画 [The shared prosperity vision]

マハティール首相は2019年8月31日に、マレーシアの繁栄と独立した国家を目指し
2030共通繁栄ビジョン(the shared prosperity vision)とその他の政府方針について発表しました。
 

 

 


2019年第62回独立記念日(8月31日)にマハティール首相は「すべてのマレーシア人が適切な生活水準で生活する
ことを目的に政府は2030共通繁栄ビジョンについて実行に移す準備をしている」と話した。

「マレーシアの経済発展の第一段階の目的は果たされ、アジアの中で重要な経済軸を持つ国へとなっている」
と首相は言う。

さらなる努力によって人々の購買力増加階級や民族、宗教による収入や格差の排除は強化されている。
マハティール首相は2030年までに人々の調和と安定をバリューチェーン、階級、民族、地域に関係なく平等に
経済分配をすることでマレーシアを持続可能な方法で発展されるとし、このビジョンと政策の実行において
行政機関の後押しが必要不可欠であることを強調した。

また、前首相の際に起こった汚職はこれまで国家が直面してきた中で最大の災だったと話した。
職権乱用を行った人物や賄賂を受け取った人物が政府方針を妨害することがないように、
政府は汚職対策を行うことを目的として掲げている。

 

 

2030年を目指し新たな経済モデルを作成―2030共通繁栄ビジョンとはー

政府は階級、民族、地域を超えて2030年までにすべてのマレーシア人の生活水準を高めるため、共通繁栄ビジョンと
呼ばれる新しい経済モデルを発表した。 マレーシア・バハルと呼ばれるマレーシアの歴史上初めての野党への政権交代
を祝う1周年を迎えた2019年、マハティール首相は過去10年間先進国入りを目指し掲げられてきた2020年ビジョン
モデルに代わる新しい政府方針を宣言した。

マハティール首相は「過去10年で、マレーシア国内の経済は激変してきたが、2020年ビジョンで目標とされてきた
先進国入りを果たすことはできなかった。過去10年の経済モデルは巨大な計画を実行するために国の借金を増やし
続けた
ことが問題であった」と話した。 マレーシア人が従事する70%の職は単純労働であり、本来国が所持していた
はずの所有権のほとんどは外国企業の手へと渡ってしまった。経済成長は主要都市のみで叫ばれ、その他の地域では現地の人々の機会や成長、所有権を奪う結果となってしまった。

そこでマハティール首相は政府が「今日の国家の発展を人々が共有できるような繁栄を目指す」方法で実行していくと話す。これを言い換えれば、購買力強化、階級制度の縮小を意味している・

93歳の首相は2030共通繁栄ビジョンにおける3つの主要目標を以下にまとめた。

・賃金と貧富の格差をなくす
・すべてのマレーシア人が参加する知と価値を併せ持つ進歩的な経済を作る
・アジア地域において経済を先導する国家となる
 

 

 

2030経済モデルの7つの柱


・インダストリー4.0を推進していくことで国のビジネスと産業エコシステムをより構造化させ改善していく
・デジタルエコノミーに適応し、より高度な職業を増やす
・新しい成長分野を発見し、マレーシアを消費国ではなく国際基準の製品を生産する国へと変えていく
・労働市場や賃金における問題を改善するために人材改革を行う
・人々のニーズに基づいた政策を実行し、社会福祉を強化する
・包括的かつ全国的な発展
・社会支援メカニズムを統合した社会資本の改善


これらのゴールを達成するため、マハティール首相は革新的な財政政策や高度に統制された行政機関、効率的な政府
機関の実行性、より良い教育の提供、通貨の安定性、包括的なビックデータの仕組み、市民的で知識を有する
コミュニティが必要不可欠であると話した。


「経済発展させそれを保ち続けるために、マレーシアは新しい産業セクターに目を向けなければならない。私たちは伝統的な産業や古い働き方に囚われるべきではない。」と付け加えた。 整った社会政策や計画は、市民が甘やかされ続けるだけでなく、彼ら自身の力によって豊かになる礎を築くために必要であると指摘する。
 

 

 

人々と一丸となって

これらの戦略のコンセプトや計画はすべてのマレーシア人から慎重に監視され評価されるだろうとマハティール首相は言う。11年先の国家発展の指針を定める第12・13マレーシアプランが作成される前に、これらの計画について一般大衆にフィードバックや提案などの意見を求めるつもりのようだ。


「私たちは人々が国の利益を平等に享受することを望んでいる」と首相は発言し、政府のイニシアティブを達成する上で人々の協力が重大であると強調した。だからこそ、政府は市民に努力や努力の成果を「報告する」のである。

「優れた計画は、正しく実行されているか、そしてその結果が監視されていなければ、何の意味もない。
したがって、政府はすべてのイニシアチブと誓約が確実に実行され、達成されるように努力し続け、
その結果次の世代が共通繁栄ビジョンの下で国の富を享受できるようにしたい」とマハティール首相は述べた。

 

 

連立与党への危機感

それとは別に、マハティール首相は、この機会を利用して、連立政権を形成している4つの政党に注意を喚起しました。マハティール首相は「統一」を強調したうえで、彼らが違いを捨てなければ、マレーシアは失敗すると話した。

「4つの政党が集まって、ナジブ前首相率いる前政権を打倒するために共に立ち上がった。しかし、このままそれぞれが異なる意見を主張し続ければ事態はさらに悪化する。」とマハティール首相は話す。



 

まとめ

2020年までに先進国入りを果たすと宣言していたマレーシアだが、残り1年と迫る019年経済発展は想像していたよりも伸びなかった。その一方で前政権が残した多額の借金は国の最重要課題となる。

そうした中で民衆の声に後押しされた94歳のDr.マハティールは2018年、マレーシア史上初となる野党からの首相当選を果たした。マハティール首相は2度目の首相になるわけだが、閣僚となる野党の政治家は今まで政権を持つ経験がなく、知識や経験不足を指摘される。

任期2年目となる今年、今だ多くの問題を抱えるマハティール首相が発表したのが2030年共通繁栄ビジョンであった。この中で強調されていたのは民族間・階級間の格差撤廃と国家全体での発展である。

マレーシアはマレー系、中華系、インド系3民族から構成され、人口比ではマレー系が7割を占めるものの、経済の主導権は中華系が握る。そうした現状に課題を感じたであろうマハティール首相が目指しているのは「マレー系の労働力強化」である。現在に至るまでマレー系はマレー優遇政策によって大学の優先的入学や授業料免除、公務員への登用などマレー系マレーシア人が住みやすい国が目指されていた。しかし、10年経過してみると経済発展は思ったよりも実現されていなく、安定した職を得たマレー系マレーシア人は現状維持に満足し十分に働かない者もでているのも事実である。

今回のビジョンでは「国民全体で」「すべての国民」と繰り返しマレーシア人全体での協力と発展が目指されているのが興味深い。今後「すべての国民」が参加する経済発展に向けてマハティール首相がどんな政策を発表するのか注目したい。

 

参考サイト

https://www.theedgemarkets.com/article/shared-prosperity-vision-policies-make-malaysia-great-—-mahathir https://www.theonlinecitizen.com/2019/05/10/dr-mahathir-announces-new-economic-model-for-malaysia-to-achieve-shared-prosperity-by-2030/


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