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【市場調査】第四次産業革命~マレーシアのIndustry4.0を簡単に解説~

歴史の授業で産業革命という言葉を学んで覚えている人も多いかと思います。
2019年現在、我々は第四次産業革命というフェーズに直面しています。
それでは、第四次産業革命とは何が発展するのか。
そして、マレーシア政府が発表したインダストリー4.0とは何を目指すのか解説していきたいと思います。
 

 

 

 

マレーシアの第四次産業革命とインダストリー4.0  

第四次産業革命とインダストリー4.0は同じように解釈されることが多いですが、厳密には定義が異なります。

今回はマレーシア政府が提言する「Industry4.0」からこれらの用語を説明していきたいと思います。
第四次産業革命とは、生活に関連するすべての産業および経済活動を包括した産業の移り変わりを指します。

一方で「Industry4.0」は製造業におけるデジタル化を指します。

インダストリー4.0ではサイバーフィジカルシステムを導入したスマートファクトリーを目指し、その中でシステムはリアルタイムで工程を監視し機械が自律的に決定を下していくことができます。Industry4.0の主なテクノロジーを以下に簡単にまとめてみました。

・自立ロボット
・ビックデータ解析
・クラウドコンピューティング
・IoT
・3Dプリント
・システムインテグレーション
・サイバーセキュリティ
・拡張現実
・シミュレーション

用語を理解したところで、マレーシア政府が発表したindustry4.0を解説していきます。

マレーシア政府のインダストリー4.0とは

マレーシア政府が発表したインダストリー4.0を「INDUSTRY 4WARD」と呼びます。
ちなみに日本版インダストリー4.0は「インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ」。
通称IVIというものを発表しています。

話を戻しまして、この「INDUSTRY 4WARD」は2018年10月31日に、
マレーシアのマハティール首相によって発表されました。
マレーシアの経済成長を支える製造業がスマートファクトリーとなることで、
生産性の向上および高度な技術を持つ生産者を増やし、より経済を活性化していくことを
目指すために作られました。

INDUSTRY 4.0では3つの目標を掲げています。

 ・出資者にインダストリー4.0のテクノロジーの魅力を伝えること
 ・インダストリー4.0にとって適切な協力体制を作ること
 ・マレーシアの産業界全体をより加速的に変化させること

人材不足を考慮して発表された日本のIndustry 4.0 とは違い、
経済発展や若い世代、スタートアップ企業が多いだけに産業界の協力に注力してる点が印象に残ります。
 

10年先を見据えた13の戦略

マレーシア版インダストリー4.0では10年先を見据えた13つの戦略が策定されています。
その中のいくつかをピックアップして今回はご紹介させていただきます。

・投資やインダストリー4.0のテクノロジーの導入を促進していくために優遇措置を講ずること。
 例えば、ACAやSLAMといった産業用ロボットに対する優遇税制

・製造業やそれに関連したサービスを提供する会社がINDUSTRY 4.0の技術を発展させていくのを助ける場や構造を作っていくこと

・現在ある労働力を高めるだけでなく、新たな才能ある人や技術を育成していく。
 教育省などと協力してApprenticeship Programmeという次世代の技術者を育成するプログラムを提供。

・デジタル接続性をより強めていく

・データの統合やスタンダードを改善する


このように第四次産業革命の中で、マレーシア政府はより生産効率を高め経済成長をしていくために、製造業のスマート化を目指し様々な優遇措置やプログラムを提供しています。

次世代の育成

マレーシアは先進国入りを目指し、品質が良く技術的に優れた製品を製造することを目指しています。これを達成するにはそれぞれに専門分野で様々なスキルを持った人材が必要とされています。11MP(The 11th Malaysia Plan)の計画の元、経済部門で150万人の雇用を生み出すことを目標としています。それらの約60%にTVET(Technical & Vocational Education &Training)のスキルが必要だと政府は考えているようです。そこでマレーシア政府は教育省や開発局などと連携し、様々なプログラムを提供しています。
 

注目されるオレオケミカル

環境にやさしい資源として注目されている天然油脂を
原材料として製品を生み出すことをオレオケミカルと称します。
中でもヤシやパーム油は食品やトイレタリーなどと言った家庭用製品だけでなく、
工業製品の原材料として使用されています。

マレーシアでのオレオケミカルのほとんどはパーム油由来です。

これらのオレオケミカルにおける市場傾向として、西欧諸国がパームオイル反対運動や
輸入規制を設けたことで市場参入する障壁が高くなっているのが現状です。
しかしながら、一方では、石油由来製品の環境破壊への懸念からバイオ製品に注目が集まっており、
加えて、中国やインドからの天然由来の製品の需要も大きい。

そこでパーム油の世界第二の生産輸出国であるマレーシアは製品の原材料の輸出だけでなく、
パーム油を使ったメーカー企業を増やしていきたいと考えています。政府はそうしたパーム油を扱う企業の進出支援だけでなく、既存の企業への優遇措置などを講ずることで今後もパーム油の製造業を発展させることを目指しています。

 

まとめ

マレーシア政府としてはGDPの22%相当に貢献する製造業を、
今後より力をいれて経済発展の後押しとなるように支援していく方針です。

マレーシアに進出を考えている製造業者やIT関連企業にとっては、
INDUSTRY 4.0の進展にともないマレーシア政府からの恩恵を得る機会が増えるでしょう。



今後もマレーシア政府の動向に注目しつつ、新たな優遇措置など発表されましたら、
随時更新していきますので、お楽しみに!!


INDUSTRY 4.0のより詳しい詳細はこちら。
 


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