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2019年第4回日本語ビジネスプレゼンテーションコンテストに行ってきました

今回は9月15日にマレーシアで行われた第4回日本語ビジネスプレゼンテーションコンテストについて
紹介したいと思います。


日本語ビジネスプレゼンテーションコンテストの目的

マレーシア人の日本語話者と日本企業の架け橋になるべく始まりました。参加者は仕事で日本語を話す人や
日本企業で働きたい人です。コンテストを通して、才能あふれる日本語スピーカーの人々と企業の双方が
長期的に良好な関係を築くことができることを目指しています。


主催者であるAtoZ language centerの西尾校長は挨拶の中で、
「コンテストでは皆さんの想いを自由に発表することでたくさんの人の心に響かせて欲しい」と述べ、
そうした想いからこの日本語ビジネスプレゼンテーションコンテストでは審査基準をあまり明確にせず
行っているそうです。
参考:https://atozcontest.com/


実際に筆者が観覧されていただいた今回の日本語プレゼンテーションコンテストでも、参加者の方々の
レベルが高く、加えてそれぞれ創意工夫を凝らしてプレゼンを行っており日本人とは違った視点から
語られるエピソードや意見は聞いていてとても面白かったです。


それでは当日の会場や入賞者のインタビューを書いていきたいと思います。


 

コンテスト当日

今回の日本語ビジネスプレゼンテーションコンテンツはTayler’s University のグランドホールで行われました。
体育館ほどの大きさの会場でとても広かったです。



(写真:会場のエントランス)


会場に入るとWaku Waku Job Fairが行われており、会場前方で日本語ビジネスプレゼンテーションコンテスト
が行われていました。Waku Wakuジョブフェアの対象者はマレーシア人の日本語スピーカーと日本からの
留学生ということですが、多くの会社がマレーシア人の日本語スピーカーの採用を主にしていると感じまし
た。企業様はPanasonic、HONDA、HINO、EPSON、SECOMなど30社ほどの企業が参加されていました。







(写真:Waku Waku Job Fairの様子)

今回行った第四回日本語ビジネスプレゼンテーションコンテストでは、大学生の部と一般の部があり、
どちらの参加者もハイレベルなプレゼンを行っていました。

 

大学生の部

今回大学生の部への参加者は8名でした。まだ20代にもかかわらず、皆さん日本語が堪能で、聞いていて尊敬してしまいました。今回はその中から入賞した3名の生徒さんにインタビューしていきたいと思います。


(写真:右からアイナさん、ディランさん、筆者、チェンさん)

優勝:アイナ ヒヤマ ビンティ ザズリさん
2位:ディラン リムさん
3位:チョン ソーシンさん


          アイナさん

日本人の母とマレーシア人の父を持つハーフということもあり、
子供の頃から日本語を話す機会があったそうです。
人前で話すのが苦手だったようですが今回のコンテストをきっかけに
少し克服できたと話してくれました。



            ディランさん

AtoZランゲージセンターで英語やマレー語を教えながら日本語を勉強しているディランさん。
まだ日本に行ったことがないので日本に行ってみたいと話していくれました。
ギターが趣味で、日本語で歌を作ったりするのが好きだそうです。




          チョンさん

アニメがきっかけで日本語を勉強し始めたチェンさんは
現在日本の文化や景色が大好きだと話してくれました。
日本に行った際には両親を白川郷に連れて行きたいとのことでした。


それでは未来ある優秀な若者たちに「将来日本で働きたいか」という質問をしてみました。

アイナさん
現在は日本の大学院に入学を目指して勉強中です。母が日本人なので話すのは問題ないのですが、
漢字の読み書きが苦手です。でも世界で活躍できるエンジニアになるために頑張ります。


ディランさん
日本にはまだ行ったことがないので行ってみたいです。
日本に行けば作曲や作詞のインスピレーションが湧いてきそうですね。

チョンさん
日本で働くということは経験してみたいです。
将来はマレーシアから日本を訪れる観光客や日本製品を買いたいお客さんを増やしたいです。



若者世代にはアニメが人気なようで、アニメきっかけで日本語を勉強する人が多いことに驚きました。
中には日本語学習歴1年でかなり話せる参加者もいます。



日本企業で働くことについては「日本語を使って仕事をしたい」「日本に住みたい」という意見がある一方
で、日本企業の働き方についてはネガティブな印象があるようでした。

残業が多く、働くイメージが強い日本でずっと働き続けるのは難しいという意見もあり、
日本も今後こうしたイメージを払拭していかなければならないと感じました。

 

一般の部

午後から始まった一般の部には11名の方が参加されていました。参加者の多くは日本企業で働いている方や
日本語学習歴の長い方々なのでかなりハイレベルな戦いでした。




今回は上位入賞を果たした3名の方のプレゼンテーションを紹介したいと思います。

優勝:アディバ アズリンさん
2位:フー ワイ フォン
3位:リツ リーさん


        アディバさん「マレーと日本の橋」

日本企業で働くアディバさんは現在マレーシアで働いています。日本語が堪能な彼女は日本人とマレーシア人
の通訳としてもチームをマネジメントしなければなりません。その中で感情が抱える課題は「強い気持ちを通
訳する難しさ
」だといいます。

日本人が部下を叱る場合「馬鹿野郎」という時がありますが、この「馬鹿野郎」を直訳しても本当に
伝えたかったことは伝わらないと話します。「馬鹿野郎」にはただ叱る気持ち頑張れという気持ちが
混在していると彼女は指摘します。

アディバさんは「私(通訳)を介したことでこの気持ちを本当に伝えられているのか」と自信が
なくなるそうです。その中で彼女は「通訳は両方の文化を理解し伝える必要がある」と話してくれました。





      フーさん「ウェブ制作あるある」

フーさんは日本の大学卒業後、日本でウェブデザイナーとして活躍しておりその時の経験について
話してくれました。日本で働くなかで「なんのために仕事をしているのか」ということを上司に繰り返し
言われたそうです。どうすればクライアントの利益につながるかまで考えて仕事をするようになったと話
してくれました。そんなフーさんが日本で働く中で学んだことは「仕事の細部までこだわること
コミュニケーションの取り方」だったそうです。最後の最後まで丁寧に仕事を行い、
そしてデータを用いて相手に伝えることが大切だと教えてくれました。




   リツさん「日本カルチャー好きマレーシア人の訪日行動」

リツさんは日本語を独学で学んでおり、今回は2回目のリベンジに燃える出場だったそうです。Webマーケティング会社で務める彼女はSNSを使った日本の情報発信について話してくれました。日本好きのマレーシア人向けにインスタグラムやFacebookを使って日本の文化などを発信したり、イベントなどを行っているそうです。大学卒業したての22歳という若さながら、彼女らしいプレゼンテーションでした。

普段から日本人とお仕事をしているアディバさんとリツさんに
日本人と仕事をする上で気をつけていること」について聞いてみました。


アディバさん
ストレートな表現にならないように日々日本語を勉強しています。
たとえば、お客さんと打ち合わせの時に納期までに終わっていなかったら
「間に合わせてください」などストレートに言ってしまい、上司に笑われることがあります。

外国人だからこそストレートに言っても構わないと思われているかもしれませんが、
もっと日本語の言い回しを学んで言えるようになりたいです。


仕事の仕方もマレーシアと日本では違います。マレーシア人は結果しか見ないけれど、
日本人はプロセスを大事にしていると感じます。私はこのプロセスを大事にする仕事の仕方が好きで、
仕事への達成感を感じられます。


リツさん
私は日本のクライアントとマレーシア現地企業の橋渡し役として仕事をしています。日本は確認作業が多い
ので、マレーシア人には時々煩わしく感じることもあり、現地企業側からいろいろ言われます。それでも、
文化の違いを理解し、納得してもらうのが私の仕事なのできちんと説明し、双方が理解して仕事ができる
ようにサポートしています。



日本語が堪能なアディバさんとリツさんに「どうやって自然な日本語を身に着けたのか」質問してみました。


リツさん
私はバラエティ番組やドラマを使って勉強しています。カジュアルな言い方を学ぶならバラエティが良いと
思います。Youtubuなどにも日本語を勉強できる教材はたくさんありますし、ランゲージエクスチェンジの
イベント等で実践的に使う場面も多いです。


アディバさん
私もバラエティ番組で勉強します。勉強した言葉はデータだと考えているので、実際に使っている場面を
見たり聞いたりすることで学んだ言語を身につけています。



お二人とも日本語の言い回しや表現の仕方が自然ですごいなと思いました。アディバさんもリツさんも
声を揃えておっしゃっていたのは「好きだからできる」とのことでした。
努力をすることも日本語が好きだから苦ではないと話してくれました。


 

まとめ


今回初めて日本語ビジネスプレゼンテーションコンテストに参加しましたが、
とてもハイレベルな内容と日本語能力で聞いていてとても面白かったです。


普段日本人なら意識しないようなことに疑問を感じていたり、意見を持っていたりするので、
働く上でも参考になるプレゼンテーションが多かったです。
ぜひ、来年も開催して欲しいです。


そして、興味を持ってくれた方はぜひ会場まで足をお運びください。

 



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